ランニング言いたい放題

ケニア人のフォームやベアフットランニングについて書いてるブログです。ご依頼・お問合せはhadashi.rc@gmail.comまでどうぞ。by須合拓也

ケニア人がフォアフット走法でも足を痛めない理由

ケニア人を始めとしてアフリカ系ランナーと言えばフォアフット走法で有名で、実際私も昨年現地のランナーと一緒に走らせてもらうと多くのランナーが足の外側前方の、小指の付け根のあたり(小指球)から着地しているランナーが多かったです。

(そうでないランナーももちろんいましたが)

 また、世界選手権やオリンピックなどの動画で見ている限り、トップレベルのアフリカ系ランナーはほとんどフォアフット走法となっているように見えます。

 

さて、今回はケニア人にフォアフット走法が多いということを前提に、ケニア人がフォアフット走法でも足を痛めない理由について私なりの仮説をまとめていきたいと思います。

 

まずフォアフット走法、小指球あたりから着地する方法ですが、裸足かベアフット系シューズを使って走ると自然となるランナーが多いです。

(この辺りはケニア人がフォアフット走法になる理由日本人ランナーが踵接地になりやすい2つの条件に詳しく書いています)

何故かと言うと恐らくですが、単純に踵から着地すると痛いからでしょう。

 

そのためベアフットランナーはやや強制的に小指球着地するようになりますが、その時のフォームはいびつになりやすいです。

全身の動きはほとんど変わらず、着地だけ変わったのですから当然の結果です。

そうするとどうなるかというと足、特に足部やふくらはぎを痛める方が本当に多いです。

 

少なくとも踵から着地するよりも小指球から着地するほうが、足のアーチに関係する細かい多くの腱やふくらはぎにあるアキレス腱が伸びることによって衝撃を吸収してくれたり、前足部は踵に比べて面積が広いので圧力も少なかったりしますので、衝撃が少ないことは少ないのですが。

また、小指球から着地すると膝も伸びていないため、膝へ直接衝撃がかかりにくいということもあるのですが。

 

それでも今までシューズで過ごしてきて筋肉や腱が相応に発達しなかったために足、特に足部やふくらはぎを痛めてしまいがちです。

今まで全く筋力トレーニングしてこなかった人が、いきなり100kgベンチプレスをやるようなものですね。

 

つまり原因の一つ目は”やってこなかったから体が発達していない”ということです。

これはある程度時間をかけてもらうしかないです。

鍛えるときは裸足、もしくはベアフット系シューズでトレーニングすることが望ましいでしょう。

 

筋肉や腱が相応に発達するまでに時間はかかりますが、例え十分に時間を費やしてからも人によっては痛めやすいことがあります。

 

先ほどベアフットランニングを始めたばかりの頃はフォームもいびつになりがち、と書きましたが、痛める理由はここにあります。

 

日本人はケニア人と比較すると傾向として下半身を動力として走るランナーが多いです。

(参照:ケニア人と日本人の走る仕組みは全く違う, 歴史と食から見る日本人の武器は「超長距離」

決して一概に悪いことではないのですが、フォアフット走法をする上ではデメリットがあると考えます。

 

それは”衝撃を全身で上手く吸収できない”という点です。

 

上半身をあまり動かさず、骨盤が前傾にもなりにくい日本人ランナーはハムストや臀部、背骨の周りを上手く使って衝撃を吸収することが苦手なのではないか、ということです。

(参照:ケニア人の骨盤前傾の秘密はハムストリングスにある?

 

詳しく解説します。

 

小指球から着地した際に骨盤が前傾であればハムストや臀部が伸びることによって衝撃を吸収することが出来ます。

また上半身が脱力していて、背骨がS字になっていると、ちょうどスプリングのように働いて、ここでも衝撃を吸収できます。

 

これが骨盤後傾の場合はハムストは伸びず、大腿四頭筋などの太ももの前あたり筋肉が使われて膝から下で衝撃を吸収することになります。

上半身は固定している傾向にあるため、衝撃吸収にはなりません。

(下図参照)

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また骨盤前傾の場合は上半身や重心の位置も着地した点の真上近くになるので、地面からの衝撃の向きが真上に近くなり、ブレーキになりづらくなります。

 

骨盤後傾ですと重心よりも前で着地しがちで膝下のスイングで突っ張るように地面と当たるため、地面からの衝撃の向きが斜め後ろ方向になり、大きなブレーキとなりやすいのです。

 

(走っているときのケニア人の衝撃吸収の仕組みは、場面が変われば強力な推進力ともなるものではありますが、その辺りは別の記事にまとめたいと思います)

 

これが原因その2、”体の使い方が違うから体が耐えられない”ということです。

 

ただ、この体の使い方は日本人にとって決して難しいわけではありません。

日常的にこの体勢に似た動きを誰でもしています。

 

それは”イスに座るとき”です。

 

イスに座るときは誰でも上半身を前に倒し、骨盤は前傾で、臀部やハムストが伸ばされて速度を調整するという動きをしています。

先ほどの図と一緒です。

 

日本人なら誰でも毎日一回はやっているごく普通の動作にケニア人の走りと同じ動きがあるのはなんだか不思議ではないでしょうか。

 

逆に考えるとケニア人のランナーはもしかしたら走っているときも高いイスに腰かけているような感覚なのかもしれません。

実際、これが出来きたとき、私はそのような感覚を覚えました。

 

ただ、普段イスに座るという動作でやっているからと言って、ランニングの時にそれが出来るかというと、決してそうではありません。

 

「座る」と「走る」では速さも衝撃も各関節の角度もかなりかけ離れています。

感覚や形は似てはいますが、一足飛びに実現できるほど距離は近くないということです。

 

座る感覚を走るときに出すためには、走っていても上半身から脱力していることや、上半身から自然に重心を導くことが出来ないと難しいでしょう。

その辺りは別記事身に着けたいのはケニア人のように体幹で重心をコントロールする技術ケニア人に近づくための体幹連動トレーニングをご覧ください。

 

結論を述べますと日本人であってもケニア人のように筋肉や腱が相応に鍛えられて、体全体を使って衝撃を吸収できるようになれば、フォアフット走法でも足を痛めることなく走れるようになる可能性が高いのではないか、ということです。

 

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【東京】2018.11.23(金・祝)ランニングフォームチェック(代々木公園) 開催します。

皆さんはご自身のランニングフォーム、気になりませんか?

前や横、後ろなどご希望のアングルからランニングフォームを撮影するイベントを開催します。

↓のような形で撮影後、フォームのチェックと簡単がアドバイスもあります。

ランニングフォームをより良くするためには、客観的にフォームを確認する必要があると思いますが、このイベントはその絶好の機会になると思います。

動画データはその場で、もしくは後日ネット経由でお渡しします。

 

詳細・お申し込みは以下のページよりお願いします。

【東京】2018.11.23(金・祝)ランニングフォームチェック(代々木公園) | イベント | 日本ベアフット・ランニング協会

 

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上り坂を上手く走るたったひとつの走り方

ランナーの皆さん上り坂を見ると何を考えますか。

私はよほど疲れていない限り、上り坂走るのは好きです。

楽しくはありませんか?すごくきつい程追い詰められている感じがしてワクワクします。

階段はそこまで好きではないですが、上り坂はとても楽しいですね。

 

・・・。

 

あまり理解を得られなさそうな導入ですが、今回は上り坂を上手く走る方法について書いていきたいと思います。

 

題名では「たったひとつの走り方」なんて大げさ言っておりますが、本当にその通りでだと私は考えています。

もったいぶらずに言ってしまうと、上手く走る走り方とは『何もしない』です。

 

人から上り坂のコツを聞かれたときはいつもこう答えているのですが、皆さん一様に「?」といった表情をされます。

ちゃんと説明しますので、もしよければ見ていってください。

 

まず、この記事で言う上り坂とはロード或いは不整地で、階段のように段差になっていなく、角度が急すぎたりもしない坂のことです。

 

 さて、先に結論を述べてしまいましたが、上り坂を走るとき私はあえて『何もしません』

言い換えると多くの方は上り坂になると普段はやらないことをやろうとするので、無理に疲れてしまうと私は考えています。

 

まずは「姿勢」です。

私は上り坂でも平地を走るときと同じように姿勢を変えません。

特別前傾にしたり、体幹を意識したりもしません。

姿勢を変えるとそれだけで疲れるからです。

 

普段平地で普通に走っている姿勢はフォームの良し悪しに関わらず、とにかくその人にとって現状一番無理のない自然な姿勢です。

平地での姿勢の方が力が出しやすく、疲れないのです。

それが坂になると特に前傾に持っていこうとするランナーが多いですが、それはただでさえ上る分消費を強いられる上り坂において、更に燃費を悪くするだけです。

変えた姿勢を維持するのにもエネルギーは必要ですし、無理な姿勢は力が出にくい分、余計に力を出さなくてはいけなくなります。

(これは私が日頃お世話になっているベアフットランニングの第一人者、吉野剛氏から学んだ事です)

 

そもそも前傾姿勢にしても上り坂は楽になりません。

物理学の基本に倣えば体重を変えない限り、同じ上り坂において上るのに必要なエネルギー総量は変わりません。

 

次は速度の問題です。

 

上り坂では平地の時のような水平方向への移動に加え、自分の体を高い場所へと運ぶ垂直方向への移動にもエネルギーが必要になってくるため、当然その分速度は低下します。

平地の時は直進だけに使っていたエネルギーが、上り坂では垂直方向へ体を持ち上げることにもエネルギーが必要になってくるということです。

 

なので、上り坂では速度を維持することははるかに難しいです。

坂を走る身体負荷と技術①ではグラフや表で坂道に必要なエネルギーについて説明していますが、こちらによると「10%の坂道のエネルギー消費量は平地の1.5倍!」だそうです。

 

そんな上り坂ですが、多くのランナーに見られるのが無意識に速度を維持しようと頑張ってしまうことです。

そうすると先の姿勢の話にも関係してきますが、無理に足を上げてストライドを広く取ろうとするので、余計に疲れます。

ただでさえ”5%の上り坂では平地よりも25%も余分にエネルギーを消費し、10%の傾斜になると50%にも達し”てしまう坂でそんなことをすると一気にエネルギーを消費してしまって、そのあとの足が止まります。

 

私は坂では速度を維持しようとはしません。

平地を走るときと同じリズム、同じエネルギー消費になるようにします。

結果的に減速しますが、平地や下り坂で取り返すことが出来るので問題ありません。

むしろ、上り坂でエネルギーを消費しすぎて失速するランナーを抜くことも少なくありません。

 

最後は力の出し方とも言えばいいでしょうか。

 

上り坂ではまた多くのランナーが良くやっているのですが、足を勢いよく地面に叩きつけているのです。

これはランナーでなくても日常の中で、階段を歩いているときにも見られます。

皆さんも見たことはないでしょうか。

上りの階段で足音が非常に大きくなる方を。

 

この現象は足が地面につく前から力んでいるために発生します。

しかしながら、これは全てエネルギーの無駄です。

 

人間は空を飛べません。

人間の足は地面についてからでしか仕事をすることが出来ません。

なので、いくら空中で足に力を入れたところで、地面に着いた瞬間にそのエネルギーは音と衝撃と熱にしか変換されません。

これはエネルギーの全損です。

 

私はここでも平地と同じように上り坂に足をつけるだけにします。

上り坂でも平地と同じように足を回して、坂の角度の分だけ平地より少し早く地面に着地します。

多少ストライドは縮みますが、エネルギーを全損するよりはるかに効率的です。

 

こうして平地と同じように上り坂でも『何もせずに』普通に走るだけで、少なくとも姿勢を変えたり、速度を維持しようとしたり、力出したりする人よりもずっと効率的に走れるでしょう。

 

ただし、これはある程度走って練習をしていて身体能力がある方がすると有効な方法です。

間違っても万有引力の法則に逆らって、体力脚力が無くても坂道をスイスイ走れる方法ではありませんので、あしからず。

 

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ケニアの高地でのトレーニングの費用対効果考察

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私が2017年に2回行ってトレーニングしたケニアのニャフルルは赤道直下で標高は2200~2400mという紛れもない高地で、そこでの生活はカルチャーショックの連続でした。

 

今このブログでつらつらと書けているのもケニアに行ったおかげです。

 

今回はケニアの高地でトレーニングする効果について考察したいと思います。

 

まずは恐らく読者の方が一番気になる点、高地トレーニングからです。

 

先にも書いた通りケニアのニャフルルは標高2000m以上あり、高地トレーニングの条件に当てはまります。

酸素濃度が平地に比べて薄いため、実際に走るといつもは楽なペースで息切れが起きたり、疲れが取れにくかったりします。

高地トレーニングについては詳しく説明しているサイトがいくつもあるので、そちらを参照していただきたいですが、実体験としてケニアでのトレーニングはきついものでしたし、その分帰国してからも体が軽く感じました。

(参照リンク:

高地トレーニング(こうちトレーニング)とは - コトバンク

高地トレーニングによって得られる効果とは?最先端を行く新時代のトレーニング

 

ただ、高地トレーニング自体にはデメリットが存在します。

 

まず、高地トレーニングは筋トレと一緒で止めると身体能力はどんどん下がってしまう点です。高地トレーニングは実施後に確かに効果は感じますが、2・3週間もすると向上した身体能力も落ちてしまうのです。

 

高地トレーニングには移動費や滞在費など費用と3週間以上の時間を要します。

しかし、その効果が一定期間しか持たないのであれば費用対効果から見るとかなり厳しいのではないでしょうか。

効果が続く期間内に走れるレースは1つくらいでしょうし、その1レースの為に高地トレーニングを導入できるのは、一握りのトップクラスランナーだけでしょう。

 

あとは高地に移住して、レースの期間だけ平地に行く形が現実的でしょうか。

ただし、こちらもいろいろとハードルの高い選択肢でしょう。

 

また、高地では疲労が取れなかったり体調を崩しやすいので、トレーニング自体が出来ない可能性もあります。

これはその人と高地との相性もあるので、相性の悪い方にはほとんど効果はないでしょう。

 

日本人にとってケニアでトレーニングすることは、純粋に高地トレーニングという視点から見るのであれば、費用対効果は悪いです。

むしろ日本の低酸素ルームでトレーニングした方が、高地トレーニングという意味では遥かに効率的ではないかと思います。

これは世界中の、或いは日本のどの場所の高地であっても同様のことが言えます。

 

つまり、私は単に高地に移動して高地トレーニングするだけなら費用のわりに効果が伴わないと考えています。

 

だだし、『単に高地トレーニングだけするなら』です。

 

勿体ぶりましたが、ここからはケニアでのトレーニングのメリットについて話したいと思います。

散々言っておいてあれですが、私はケニアでのトレーニングは非常に価値のあるものだと思っていますし、何度でもケニアに行きたいです。

 

ケニアには日本にないトレーニング環境が揃っています。

 

まずは走る場所がほぼクロスカントリーであることです。

日本では探さないとなかなかない不整地が、ケニアでは沢山あります。

現地のケニア人ランナーがそういった環境でインターバルやファルトレクをやっている姿を何度も見ました。

それは強くなるはずです。

 

また周りのランナーが抜群に速いことも挙げられます。

時には市内のトラックを世界トップレベルの有名ランナーが走っていて、一緒に練習することすらできます。

そうでなくてもケニア人のランナーたちは皆速く、女子選手であってもついていくのが辛いくらいです。

 

そのレベルの選手たちが朝からそこら中を走っているのがニャフルルです。

ランナーであれば興奮せずにはいられないのではないでしょうか。

少なくとも私は非常に感動させられました。

 

フォームもきれいですので、少しでも一緒に走ったり、生活を見るだけでも非常に良い勉強・刺激になります。

 

他にも自然環境が豊かであることも良い点です。

日本の都市と違って緑ばかりで空気がきれいですし、食べ物も現地の市場で売っているものは無農薬だそうなので、寄生虫や食中毒にさえ気を付けていれば体に良いことは間違いないでしょう。

 

あと、日本と同じくらいの広さと規模のスーパーも普通にあるので、どうしても食べたいものがあったらそこで買えます。

日常生活用品も大抵は揃ってますし、何より値段が安いです。

 

多少デメリットがあるとすれば乾燥対策が必要なこと、娯楽が少ないこと、治安は決して良いわけではないこと、水道や電気が時々止まったりすることくらいでしょうか。

一応生活できないわけでは全然ないですが、人によっては結構ストレスに感じると思います。

陸上部時代に全く自由の無いストレスフルな合宿を何度も経験してきた私からすれば、ケニアは結構ストレスフリーでしたが。

高地で乾燥しているので、体調不良になりやすいことが唯一のストレス源でした。

 

結論をまとめますと、高地トレーニングだけを目的にするなら費用対効果は高くないが、それ以外の要素で非常に有意義な体験・経験が出来るので、私はケニアでのトレーニングには価値があり、ケニアは『ランナーの聖地』だと思っています。

 

最後は言い過ぎですかね。

そのくらいケニアでのトレーニングが素晴らしかった、と思っていただければ幸いです。

 

それではまた。

 

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トレイルランナーとマラソンランナーに求められる資質の違い

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私がランニングを始めたのは、まだ物心のないの子供の時でした。

走ることが好きで、学生時代は陸上部だけずっとやってきました。

その時はトラックやロードばかり走っていました。

 

トレイルランニングを始めたのは社会人になってからですが、トレイルにはトレイルの難しさや面白さがあります。

ただ、初めは結構苦戦しました。

特に下りが全く走れませんでしたので、ロードやトラックに比べるとトレイルは難しいなと感じていました。

 

今回はトレイルランナーとマラソンランナーに求められる資質の違いについて考察を書いていきたいと思います。

 

まずは定義についてです。

 

今回の記事中で言うマラソンランナーとはフルマラソンを走る以外にもトラックの競技に出るランナーも含みます。

主に走る環境はアスファルト上かタータンの陸上競技場になります。

 

そしてトレイルランナーはメインが山道、不整地ですね。

トレイルランニングをしたり、トレイルのレースに出たりするランナーを指します。

 

そして両者は兼ねることもあります。

ラソンも走ればトレイルも走る人も当然存在するということですね。

 

両者の明確な違いは走るコースや装備にあります。

ラソンランナーは比較的平坦なロードやトラックの上をほとんど何も持たずに走ります。

レースの距離は42km以下です。

 

トレイルランナーは高低差のある不整地を、大抵はトレイル用のザックを装備して走ります。

トレイルのレースは距離が10km前後のものから160km以上のものまで多彩です。

有名なレースはどれもフルマラソン以上の距離があることがほとんどです。

 

ここから考えるとマラソンランナーに求められる能力は単純なスピードや心肺機能、ランニングエコノミー(効率性)となるでしょう。

これに比較するとトレイルランナーに求められるものはより多彩です。

装備を持ちながら上りを走れる加速力、長時間のレースに耐えられる生命力、下りを走れる運動神経などなど。

もちろん、トレイルランナーにもマラソンランナーに求められる能力は必要ですが、他の能力も必要なために、マラソンランナーに比べるとそれらの能力の重要度は相対的に下がります。

 

もう少し具体的に書いていきましょう。

 

ラソンランナーは100mの選手ほどではないですが、スピードが必要です。

また心肺機能が高い方が時間当たりのエネルギー出力を上げられるため、タイム短縮に有利です。

(心肺機能の詳細についてはリンク参照)

あとは効率性ですが、これは体形や体重などがわかりやすいでしょう。

基本的に軽い方が同じスピードを維持するときに使用するエネルギー量が少なくなるため有利になってきます。

その分余分な筋肉や脂肪はあまりありません。

また足が長いと同じエネルギー当たりで進める距離が長くなるため有利です。

いわゆるランナー体形というものですね。

長いストライド、早めのピッチで走る選手のイメージです。

 

これがトレイルランナーになってくるとまた少し違ってきます。

スピードや心肺能力、効率性も必要ですが、同時に上りで自重+装備分の重量を運ぶ加速力=筋力が必要になってきます。

また長時間野外で活動する生命力に関わるものの中でわかりやすいのは脂肪です。

つまり、マラソンランナーよりも筋力と脂肪が必要になってくる分、体重が増加します。

 

足の長さもそれほど重要ではなくなってきます。

上りではストライドが短い方がトルクが強くなり、上りやすくなります。

下りでもストライドを広げて走ることは、足への衝撃が強すぎて負担が大きくなることと、方向転換しにくくなるので事故の危険性が高まります。

しかもトレイルの下りは斜度も地面の凹凸もランダムに入り乱れているので細かく調整できた方が安定して下れます。

ストライドが短く、高回転で回す方が理にかなっているのです。

 

つまり、ランナー体形よりも若干筋肉質で足もそれほど長くない、標準的な日本人体形に近くなってくると考えます。

特に日本のトレイルは急な上り下りが多いので、理想が日本人体形に近くなるのは不思議ではありません。

(むしろ、日本の地形に合わせて日本人の体形が変化した、という方が正確でしょう)

 

もちろん急こう配の下りを走るには運動神経も重要になってきます。

運動神経はマラソンランナーにも必要ではありますが、1歩踏み間違えると命に関わってくるトレイルランナーの方がシビアに問題になってくるでしょう。

 

まとめますと

ラソンランナー

・スピード

・心肺機能

・効率性(=軽さ)

 

トレイルランナー

・スピード

・心肺機能

・効率性(ただし、体重は軽すぎないこと)

・加速力(筋力)

・生命力(脂肪)

・運動神経

 

となってきます。

 

ラソンランナーとトレイルランナーを型に分けるとするならば、マラソンランナーは整備された平地を走ることに能力を特化したスペシャリストと言えるでしょう。

トレイルランナーはあらゆる環境でも走れるようにバランスが求められるゼネラリストと言ったところでしょうか。

 

かなり簡単にまとめていますので、それぞれに求められる能力には細かく言うとまだまだたくさんありますし、あくまで傾向なので、当てはまらないこともあるでしょう。

ただ、傾向を分けることによってフルマラソンに出場する場合やトレイルに挑戦するときに向いているかどうかや、何が足りないか判断する参考の一つにはなるかなと思います。

 

今回もお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

 

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何故ランナーはケガをするのか?

私はランニングを20年以上続けていますが、ケガは何度も経験したことがあります。

軽いものから重いものまで様々なケガをしました。

それも原因は他の人と接触したとか、何か物にぶつかった、いつもと違う運動をした、ということではありません。

ただ単に走っているだけで、走れなくなったのです。

 

今回は何故走っているだけでランナーはケガをするのか、私なりに考えてみました。

 

ランニングは基本的に他のスポーツと違い、外傷を負うことはほとんどありません。

球技では他の選手と接触や、ボールや道具によりケガをすることがありますし、格闘技の様に相手を直接殴る蹴る投げることによって負傷することがあります。

上記のような外傷はランナー同士の接触や転倒くらいしかありません。

 

それでもランナーのケガは少なくありません。

私の知っている限りだと、シンスプリント・足底筋(腱)膜炎・疲労骨折・鵞足炎・腸脛靭帯炎・坐骨神経痛椎間板ヘルニア・アキレス腱周囲炎・肉離れ・溶血性貧血・変形性膝関節症などなど。

ただ走っているだけでよくもこれだけケガをするものです。

 

どこかにぶつけたわけでもなく、後天的病気や先天性の持病でもないのであれば、いったい何が原因なのでしょうか。

 

それに対する回答はただ一つ、オーバートレーニンです。

 

ただし、ここで言うオーバートレーニングは単純に運動のやりすぎという意味を超えます。

シンプルに表すなら「運動による消耗が自然治癒力を上回っている」といった意味で話していきます。

 

オーバートレーニングにも2種類タイプがあると思います。

全体的なオーバートレーニン局所的なオーバートレーニンです。

 

全体的なオーバートレーニングとは人間の性能限界を超えたトレーニングをしている状態のことです。

例えば、月間走行距離が3000km(1日100km)とかですね。

つまり、その練習をしたら誰もが重大なケガをするという、当たり前のことです。

これが問題になるのはオリンピアレベルのアスリートに限られてくると思われるので、ここでは割愛します。

 

大多数のランナーにとって問題になるのは局所的なオーバートレーニンでしょう。

これについて説明していきます。

 

かなり大雑把になりますが人間は約200の骨と約300の筋肉があり、筋肉の両端には腱があって、心臓と肺が酸素や栄養を補給して、外側を皮膚が覆っています。

私は人をこれらの”部品”で構成された”機械”と考えます。

 

部品なので当然耐久力がそれぞれ決まっていて、それ以上の負担がかかると壊れるわけです。

自動車なら点検して疲労した部品を交換しますが、人間の場合は自然治癒力により部品の疲労を修理するわけです。

 

局所的なオーバートレーニングとは要するに体のどこか特定の部位に過度な負担がかかっていて、その負担が部位の自然治癒力を上回っているときに発生すると考えます。

 

これが大多数のランナーのケガの原因構造です。

 

さて、こう考えますと解決手段としてはシンプルに2つに分かれます。

負担を減らすか、治癒力を上げるか、です。

 

どちらが簡単かと言われると難しいですし、その人のケガの機序がはっきりしないことにはどちらが良いかは何とも言えません。

また、私はあくまでランナーであって医者ではないので、治癒力を上げる方法は経験則レベルでしか知りません。

なので、ここからは負担を減らすところに焦点を当てます。

 

ランナーがケガしないためには局所的な負担を減らすこと、という流れですが、これは単純に練習を減らすということではありません。

走っていて局部的に負担がかかるが故にケガをするとしたら、悪いのはランニングフォームです。

 

悪いランニングフォームをしているからケガをするのですから、ケガをしないためにはランニングフォームを良くしないといけません。

 

そうでなければ同じようなケガを繰り返すか、体中様々な箇所でケガが発生するかのどちらかです。

これは鍼灸院や整骨院で体のケアをして一回治っても、またケガが出るのであればほぼ確実にフォームの問題ではないかと思います。

ただ、口で言うのは簡単ですが、現実の問題はより複雑です。

 

人によってランニングフォームは違いますし、従って直さなければいけない箇所も様々です。

また同じケガをしていても直さなければいけない部分は人によって異なることがあります。

何故なら局部に負担がかかってしまっている構造はいくつもパターンがあるからです。

 

痛みが出ている箇所が原因とも限りません。

例えばある部位が良く使えていないために別の部位を過度に使わざるを得なく、ケガに至ることもあります。

その場合は過度に使っている部分を治療しても、根本解決には至りません。

 

人間の体は一つの機械とみても自動車よりも遥かに複雑です。

どんな運動でもできて、様々な動かし方が可能なために、その原因の構造も多様で複雑になりがちです。

 

私も正直わからないことが多いです。

ただ、ケガには全て原因が、ケガの仕組み、すなわち機序が必ずあるはずです。

 

人は偶然にケガはしません。

単に人知が及んでないだけです。

 

この記事の目的はケガに対しての対応法の枠組みをはっきりさせることと、可能性の提言にあります。

 

普段体の使い方を記事に上げることが多いですが、良い体の使い方をすればケガは予防できるだろうとも考えています。

 

これからもその考えのもと、いろいろと記事をまとめていきたいものです。

 

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【東京】2018.11.11(日)ケニア式”走らない”ベアフットランニング教室(渋谷)開催します。

このブログで書いているケニア人の走り方を身に着けるための、動き作りだけを中心とした”走らない”ランニング教室を開催します。

 

今回は当ブログの掲載の以下のトレーニングについてやっていきたいと思います。

クロカンを走るケニア人の様に膝下の力を抜くということ その1

ケニア人に近づくための体幹連動トレーニング

速く走るために運動神経を向上させる方法その2~裸足でのトレーニング~

 

詳細・お申し込みは以下のページよりお願いします。

【東京】2018.11.11(日)ケニア式”走らない”ベアフットランニング教室(渋谷) | イベント | 日本ベアフット・ランニング協会

 

 

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クロカンを走るケニア人のように膝下の力を抜くということ その2 実践編

クロカンを走るケニア人の様に膝下の力を抜くということ その1 の続きです。

 

前回は膝下の力を抜いて走れるとクロカンに限らず、ロードやトラックでも有利だという話をしました。

今回のその2ではその実践的なトレーニングについて書いていきたいと思います。

 

まず膝下の力が抜けていないというのはどういう状態か、そして何故か、というところからです。

 

公園などで走っている市民ランナーの方を見ていますと、感覚的にほぼ8割以上の方は接地の時に大きな足音がしていて膝下の力が抜けていないように見えます。

特に地面を擦るような「ザッ、ザッ」という足音の人は確実に膝下の力が抜けていません。

 

膝から下の力が上手く抜けている人は足音が大きくないので、ここは一つの目安になります。

(ただし、必ずしも足音がしないからと言って力が抜けているとは限りらないので注意が必要です)

 

何故膝から下の力が抜けない方が多いのかというと、それはシューズが主な原因ではないかと考えています。

 

一つはシューズだと足を地面に叩きつけようが擦り付けようが痛くないため、そのような体に悪い動きが身につきやすいということがあげられます。

裸足で同じようなことをした時を想像してみてください。

足つぼマッサージを受けた時のような激痛が走るか、足裏の皮がずる剥けるかになるでしょう。

(因みに私はどちらも体験済みです)

 

また一つはシューズが重いことにあります。

裸足であれば自身の足の重さの分持ち上げるだけで済みますが、シューズを履いているとその分も持ち上げなければいけません。

シューズは足首より下にあるため、足首を動かす筋肉に刺激が入りやすいです。

そしてその筋肉のある場所はふくらはぎ、膝より下です。

つまり膝下に余分に力を必要とする、力みやすい条件であると言えます。

その為、本来足を持ち上げるのに不要な膝下にまで力が入ってしまうのです。

 

以上が”何故か”という説明でしたが、これからは”ではどうしたらよいか”です。

 

走っているときに膝下の力が抜けないので、走っているときに膝下の力を抜くように意識する、という対応は下策です。

これは右手で習字をしながら、左手でスマホをいじるようなものです。

(そんなことが出来る器用な人は、膝下の力を抜くことも簡単にできるので、そもそもアドバイスを必要としないでしょう。)

 

もっとレベルを下げたところから積み上げるのが定石です。

 

人は通常、立っているときにできないことは走っているときも出来ません。

例えば立っている状態から前宙(前方宙返り)ができない人が、走りながら前宙に挑むことは無謀と言えるでしょう。

なのでもし走りながら前宙したいなら、まずは立っている状態で前宙できないといけません。

 

だいぶ難易度は違いますが、膝下の力を抜くことも同じです。

まずは立っている状態でやることです。

 

それで立っている状態から膝下の力を抜くことですが、動作としたは単純にもも上げになります。

ただ、この時点でもほとんどの方は膝下に無意識に力が入っているでしょう。

 

太腿を水平に上げた時に膝の角度が90度であったり、ふくらはぎを太腿に引き付けているのはアウトです。

どちらも太腿を上げるのに必要のない膝下まで力が入っています。

 

人間の膝から下はL字の形をしているので、重心の位置はすねの前になります。

その重心が膝の垂直下に自然と来ていると膝の力が抜けている状態になります。

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つまり、ふくらはぎの骨が垂直にはならず、わずかに斜めになります。

また足首とふくらはぎの角度も90度以上に開いて下がるでしょう。

 

これが膝下の力が抜けている状態です。

この状態を作ることが膝下の力を抜く練習の一つになります。

 

練習方法としては手すりなどにつかまりながら右、もしくは左の腿を上げて、ふくらはぎの力を抜きます。

あと、この練習は裸足必須です。

シューズが無い方が出来ているかどうかがはっきりわかりやすいです。

(あえてシューズを重り代わりとして揺れる感覚を出す手段もありますが)

 

抜けているかどうかはふくらはぎを手で揺らした時に、振り子やブランコのように揺れるかどうかで判別できます。

揺れない時は力が入っています。

また、カクカク揺れるときは筋肉で振り子の動きを真似して揺らしているだけなので、これも駄目です。

 

力を入れずに振り子のように揺らすのです。

自分の手でふくらはぎを押して揺らすか、他の人に協力してもらうとよりやりやすいでしょう。

 

練習の時は何かわかりやすいイメージをした方がいいですが、イメージ例としては釣り竿とかのれんですね。

太腿が竿で膝から下は糸であるとイメージして動かしたり、或いは膝から下がのれんで、手で押されたらそれに逆らわずにブラブラさせる感じです。

 

イメージは他にもヌンチャクだとか鞭だとかいろいろあると思うので、自分に合ったイメージで練習するといいでしょう。

 

膝下の力を抜く練習は他にもいくつかパターンはありますが、上記の方法が最もシンプルに走りに直結していると思います。

 

ケニア人ランナーが歩きを見ていると、この動きがちゃんとできています。

膝から下が振り子のように自然に流れて地面につくので、ゆったりとしていて無駄な力を使っていません。

足首も膝も不自然な、作為的な力が入っていないので、あのようなほっそりとした足つきになるのでしょう。

 

ケニア人ランナーの所作は厳しくも雄大な自然環境から来るものでしょうが、本当に無駄がありません。

そういったケニア人を思い浮かべながら練習する方が、より刺激になって効果的かもしれませんね。

 

 

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今回は当ブログの掲載の以下のトレーニングについてやっていきたいと思います。

クロカンを走るケニア人の様に膝下の力を抜くということ その1

ケニア人に近づくための体幹連動トレーニング

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クロカンを走るケニア人の様に膝下の力を抜くということ その1

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ケニア人ランナーはトラックやロードで圧倒的な強さを発揮しておりますが、それはクロカンでも例外ではありません。

私は2017年の夏にケニアのニャフルルで、身を持って体験しました。

 

今回は私のケニアでの体験を元に、私が考えるケニア人がクロカンでも強い要因の一つと、それを真似するためのトレーニングについて書いていきたいと思います。

 

別の記事ケニア人がフォアフット走法になる理由 でも書きましたが、ケニアはまだまだ不整地、クロスカントリーの環境が多いです。

道路の99%はアスファルトで舗装されていない、土と岩でできた凸凹道です。

そしてその脇は見渡す限り草原だったりすることも少なくありません。

 

その地面の上は比較的平らなところもありますが、ひどい道は拳大や頭ほどの大きさの石?岩?が並べられていて、車で走るとサスペンションが壊れるのではないかと思うくらいです。

 

そういう道をJOGしていた時の話です。

現地のケニア人ランナーと決して速くはないペースで走っていたのですが、そういう道に差し掛かると私は速度を維持できずに離れてしまうのです。

彼ら・彼女らはほとんど減速することなく、まるで地面からわずかに浮いているかの如く、スーッと走って行ってしまうのです。

 

私は離されないように必死にペースを上げようとするのですが、石に足を取られて思うように進めないのです。

岩が足にあたって痛いことと、足を取られてバランスを崩してしまうことが原因でした。

結果ペースを保つことは叶わず、なだらかな道に出てから追いつくことしかできませんでした。

 

この場合、問題なのはランニングの技術です。

ペース自体は速くなく、なだらかな道なら私はついていけていたので、明らかに私の技術不足で、ケニア人は何らかの技術を持っていることになります。

 

ケニア人は生活環境が基本不整地なので、そこで活動するように適応していると考えられます。

ケニアではまだまだ車を所持している人は多くないので、徒歩が移動手段のメインになりますが、歩き方からして日本人とは違うように見えます。

 

ケニア人ランナー達の歩き方はゆったりとしていてリラックスしており、なめらかで野生動物的な柔らかさがあり、それでいて歩くスピードは見た目ほど遅くはありませんでした。

その歩き方についていくだけでも少々骨でした。

 

何故このような違いがでるか、先に書いた通り要因はいろいろとありえますが、そのうちの一つに膝下の力が抜けていることがあると思います。

では何故膝下の力が抜けているとクロカンで走りやすいのでしょうか。

 

これはクロカンなど不整地を走っているときの膝下の動きに注目し、力が抜けているときとそうでない時を思考実験的に比較するとわかりやすいでしょう。

 

まずは走っているときに膝下の力が抜けていない場合で、足が地面に接地する直前に突起物があり、つま先が当たったしまうときを考えます。

 

膝下の力が抜けていないということは、ちょうど足が骨盤の付け根からつま先にかけて一本の棒のようになっていることと同じです。

なので、つま先が突起物にあたってしまうと足全体が止まってしまいますが、慣性の法則により骨盤から上の上半身は進み続けます。

よって上半身が前のめりに出てしまいバランスを崩します。

要するに躓いて足を取られ、転びそうになるということです。

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では今度は膝下の力が抜けている場合で、上記と同条件で考えてみます。

 

膝下の力が抜けていると、膝は自由に曲がることができます。

この状態で、つま先が突起物にあたっても膝が曲がってくれるために膝から上は影響を受けにくく、そのまま進むことが出来ます。

イメージはのれんに腕押しですね。

つま先が当たっても膝から下が衝撃を逃がしてくれます。

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また、このような動きが出来ることはクロカンだけでなく、ロードやトラックなどの平らな場所で走る際にも有効です。

 

膝下の力が抜けない人はクロカンだけでなく、平らなところを走っているときも同じ事をしています。

速い速度で走っているときは地面も同じ速度で足に向かってきますが、足が一本の棒となっている人は、足を動かす速さが地面の向かってくる速度を下回ると接地の瞬間に止まるのです。

 

つまり平らな地面の上でも”躓いて”いるのです。

 

平らな地面の上で加速もすぐに出来るためクロカンに比べて目立たないだけで、膝下の力が抜けているランナーと比べると効率では分が悪いです。

何せ一歩ごとに細かくブレーキを踏んでいるようなものです。

短時間ではわかりにくいものの、長距離になればその差は大きく現れてくるでしょう。

 

クロカンでも強いケニア人がトラックやロードでも無敵の強さを誇っているのもうなずける話です。

 

さて、この技術ですが私は日本人でも比較的簡単に取り入れられると考えています。

理由は2つあります。

 

まず1つ目は昔の日本人は確実に出来ていただろうという推測です。

 

昔の日本人とは草鞋や、場合によっては素足で生活していたころの日本人のことです。

そんなに昔の話ではありません。

 

下記参照リンクによりますと「1950年代中ごろから男性を中心に革靴を履くことが一般化」したそうです。

人と靴の歴史 | 靴と足の話 | シューズセンターいづみ

 

また、日本の道路も現在のような平らなアスファルトの舗装路が本格的に広まったのは1960年代後半のモータリゼーションからです。(「舗装」-Wikipedia

 

この二つの事実から、これ以前の日本人は生活の移動をほぼ徒歩で行っていて、環境条件ではケニア人とほぼ同じであり、故に同じような技術を有していても不思議ではないと考えられます。

 

理由のもう1つは現代の日本のベアフットランナーです。

 

私の周りには多くのベアフットランナーがいますが、実はその中には明らかにこの技術を有しているランナーが複数存在します。

その彼ら・彼女らは日本の急こう配の多いトレイルを裸足で足裏をほぼ傷つけることなく、平地とあまり変わらぬ速度で走ることができています。

 

定期的に裸足で走っているからか元からそのような素質があるからか、一概には言えませんが、確実に言えることは膝下の力を抜けないランナーは足裏に衝撃が集中しやすく、凸凹だらけのトレイルを裸足で走ることは出来ないでしょう。

 

以上から、膝下の力を抜くのはケニア人の専売特許ではないことがわかるでしょう。

 

では今度はどうしたら膝下の力を抜くことができるのか、ですが…その話は長いので次回の記事に書きたいと思います。

 

お付き合いいただき、どうもありがとうございました。

 

 

次回「クロカンを走るケニア人のように膝下の力を抜くということ その2 実践編

お楽しみに。

 

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