ランニング言いたい放題

ケニア人のフォームやベアフットランニングについて書いてるブログです@須合拓也

日本人ランナーの2つの傾向とワラーチ仮説

日本人に共通する体幹の動作について私なりに分析したものをまとめたいと思います。

更にそこから思いついた仮説についても書いていきます。

 

このブログの複数の記事でケニア人と日本人の走り方の違いの一つに、体幹の使い方に違いがあることを書いています。

ケニア カテゴリーの記事一覧 - ランニング言いたい放題

簡単にまとめるとケニア人はダンスによって体幹の使い方を身に着け、走るときに体幹で衝撃吸収と跳躍、そして重心のコントロールを行っているということです。

 

そしてケニア人と比較すると日本人は体幹を使えていないということですが、もう少し詳細に説明します。

 

体幹の動きから見た日本人ランナーの走り方を一行でいうと

”背骨を中心軸として内臓を動かさない”

に集約できます。

 

これを前提とすると動き方は2つの傾向に分かれます。

 

まずは体幹をあまり動かさず、肩関節や股関節が支点となって手足をスイングさせて走る『固定型』です。

 

固定型イメージ図

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下半身の力に頼って走るタイプです。

この傾向が強いとストライドが小さめで、ピッチが高い走り方になりやすいです。

また体幹があまり動かないので、走りが安定しているように見えます。

ピッチコントロールに優れているため、スピードの緩急に強いです。

 

体幹はあまり筋肉がつかないので、前から見ると寸胴に、横から見ると平たい体つきになります。

足はお尻からふくらはぎまで筋肉が発達しやすいでしょう。

 

もう一つの傾向が、腕振りの反動を体幹通して下半身に伝えて走る『シャフト型』です。

 

シャフト型イメージ図

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片方の腕を引いた反動で対角線上の逆の足が勢いよく前に出ます。

この時体幹は上半身の反動を下半身に伝える役割を果たすので、シャフト型と呼称しています。

 

この傾向が強いとストライドは長めになりますが、その分ピッチが落ちやすいです。

また重心が落ちやすいですが、コマのように上半身と下半身の旋回によってストライドを保っているため、体力が続く限りは走りにあまり影響がでません。

一見すると体幹がぶれて見えますが、腕と足の力点を結んだ線が中心軸と交わるので、回転が止まらない限りは体勢は安定します。

スピードの加減速は得意ではありませんが、粘り強く走れることが特徴的です。

 

体形としては逆三角形に似た体つきになりやすいでしょう。

 

大多数の日本人ランナーはこの2つの傾向が組み合わさっており、どちらかに偏るとフォームに特徴が出てくるものと思って下さい。

そしてどちらの傾向にも共通しているのが中心軸があり、内臓、正確には腸が大きく動かないということです。

これによって走りながらでも腸が刺激を受けにくく、食物を消化することができます。

 

この走り方のメリットは以前の記事(歴史と食から見る日本人の武器は「超長距離」)でも触れている通り、補給しながら走れるため、とてつもなく長い距離を低速で移動することに向いています。

ケニア人の走り方と比べると固定型であってもシャフト型であっても、スピードやランニングエコノミー、衝撃吸収能力を犠牲にしていますが、それを補って余りあるほど継戦能力に特化しているということです。

なので、走っている合間に食事を挟まざるを得ないほどエネルギーを必要とする長時間走では日本人の体形・走り方はかなり有利、というか恐らく独壇場でしょう。

 

(補足:何故日本人の走り方が向いているかという考えに至ったのかというと、私が食事後まだ未消化の状態でケニア人的な走り方をしたとき、お腹が気持ち悪くなって戻しそうになったことが何回かあるからです。

ケニア人的な走り方が全くできていなかった以前は何食べても走っているときに気持ち悪くなることがほとんどなかったからです。

むしろ食べて1時間後に20km走るとかしても全然平気でした。

科学に犠牲はつきものですね。)

 

また胴が長く、腸が発達しているがためにケニア人よりも多くの食べ物に対応できる点(特に消化しにくいもの)やより効率よく栄養を吸収できる点も見逃せません。

 

私の理想としては日本人の走り方の長所を理解しつつ、距離によってケニア的な走り方と日本人的な走り方を能動的に使い分けるようになることです。

 

1500mや5000mからフルマラソンの距離はランニングエコノミーに優れたケニア人的な走り方をして、ウルトラマラソンロングトレイルの時は日本人的な走り方に切り替えるようなスキルを身に着けることが現状の目標です。

 

恐らくベアフットランで5000m14分台のスピードを出そうとするときは「ケニア人的な体幹での衝撃吸収」が出来ないと厳しいと予想しています。

日本人的な走り方の難点の一つに衝撃吸収があり、これがスピードを出した時によりネックになってくるでしょう。

また下半身に頼った走り方だとスピードを出すときに蹴ってしまうので、足へのダメージが加速度的に上がってしまう点もあります。

(詳しくはケニア人と日本人の走る仕組みは全く違う参照)

 

恐らく日本人の走り方は進化の過程から完全なベアフットを前提にしていないのではないかと考えています。

 

日本人の祖先がアフリカを出て遠く日本列島まで歩いてきたときに食料の問題から腸が発達したことと同じく、長い旅路での暑さや寒さ、足裏の皮膚の摩耗などから足を保護するために手製の簡易な履物を使うことで多少足への負担を減らしていたのではないでしょうか。

 

人は長距離を走ることに特化して進化した動物と言われていますが、出アフリカの時点でこのような超長距離移動は能力的に難しいのではないでしょうか。

進化するには長い時間がかかりますが、移動にかかった時間はそれよりも遥かに短いのですぐに多様な環境下での超長距離移動へ順応できたとは考えにくいのです。

(参考:【高論卓説】人類の持久走力 暑くても長く走れるのはヒトだけ 戎崎俊一 (1/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

手製の履物の存在は超長距離移動の問題を簡単に解決してくれます。

 

後付けの根拠としてはアフリカのサン族やマサイ族は裸足であると聞いていますが、モンゴロイド系は、日本人は足袋に下駄に草鞋と多彩ですし、エスキモーはアザラシの皮から作ったブーツ履いてます。

あのタラウマラ族もワラーチを愛用していますね。

 

あまり詳しく調べられていないうえに深く考察も出来ていない仮説ですが、せっかくなので「ワラーチ仮説」とでも名付けておきたいと思います。

 

つまり日本人は草鞋やワラーチなどでウルトラマラソンに臨む姿が最適解の一つではないかと思うのです。

 

まあ、そういう意見もあるのだな、と参考にしていただけると幸いです。 

この度も四方山話にお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

!次回予告!

大迫傑選手はケニア人のフォームに似ているのか!?(仮題)」

どうぞお楽しみに?

 

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身体はかく語りき

今回は人間の身体について私の考えを書いていきたいと思います。

 

私はランニングにおいて体を単に一つの”道具”として捉えています。

なので、ランニングフォームを考えるときも体の大まかな構造から、どうやって動かせばより効率的なのかを考えます。

人間の体は非常に複雑に出来ておりますが、基本的には野球でいうバッドやツール・ド・フランスにおけるロードバイクなど同じということです。

 

ただし、人間の体にはスポーツで使われる道具にはない特徴が1つだけあります。

それは”意思に関わらず、使い方に合わせて変化する”という点です。

 

詳しく説明していきたいと思います。

 

人は毎日運動を通して体を使いますが、その運動のタイプに見合った形に発達します。

 

毎日腕立て伏せをしている人は腕に筋肉がある程度付き、脂肪もある程度減ります。

同じ腕を使う運動でもバドミントンですと利き腕ばかりを使うので、利き腕が明らかに太くなります。

また毎日行う運動がベンチプレスであれば腕の筋肉はかなり太くなります。

腕立て伏せではこうはなりません。

 

これが”使い方に合わせて変化する”という部分ですね。

 

ただし、”意思にかかわらず”が頭についていますので、もう少しひねりが入ります。

 

これはどういうことかというと、人が動いているときに脳でどのような処理をしているかが重要になってきます。

 

例えばこういう話を聞いたことはないでしょうか。

 

『足を細くしたいと思って、頑張ってランニングしたけど足に筋肉がついて逆に太くなった』

 

これが”意思にかかわらず”ということです。

希望の方向性があって、運動をしても思った結果が出ないことは往々にしてあるでしょう。

 

何故こういうことが起きるのかというと、原因は脳にあると考えています。

多くの運動時において、脳はその人の意識とはまた別のところで大量の処理を自動でやっていることが原因です。

より簡単に言うと、”運動時に人はほぼ無意識で動いている”ということです。

 

例えば先に上げた腕立て伏せやベンチプレスのような腕だけを使う比較的単純な動作であれば、動かすのは腕だけなので意識下で制御しやすく、ほとんどの場合望んだとおりに腕を太くできるでしょう。

 

ただしこれがランニングの様に全身運動になってくると話が違ってきます。

 

ランニングは腕立て伏せに比べると非常に複雑で高度な動作です。

常に体の全部位を連動しつつ、重心を移動し、体が倒れないように制御し、ルートや障害物を確認し、避けたり向きを変えたりしなければなりません。

 

この複雑な動作制御を実現するために脳はほとんど自動ですべてを処理してくれます。

非常に素晴らしいシステムではありますが、時にはこれが厄介でもあります。

 

つまり、「自分はこうしているつもりだけど、カメラで撮ってもらって外から見ると全然違う」ということが普通に起こりうるのです。

 

人の身体にはこういった仕組みがあり、かつ私の個人的な経験からほとんどの人は走っているときに意識したくらいではフォームを変えることは不可能だと考えています。

走行中の自動車のタイヤを交換しようとするくらい無理があると思います。

 

実際に学生時代、多くのランナーとそれなりに長い期間練習しましたが、走るときに意識した結果、ランニングフォームが変わった人に会ったことがありません。

意識に関わらず、練習で脚力が付いたためにフォームが変わった人はいましたが、それはまた別の話です。

またこれも別ですが、オーバーワークによってフォームが改悪した人はたくさんいました。

 

恐らく走りながら意識的にフォームを変えられる人はまずいません。

もしそれが出来るのであれば、超一流のスポーツ選手になれるのではないかと思います。

 

大体の人の運動のフォームは先天性的潜在的な身体能力や後天的な経験の積み重ねによって決まってくるでしょう。

そして、そのフォームに沿って体の形も影響を受けます。

 

要するに

フォーム(体の使い方)=フォーム(体形)

ということです。

 

単純に使っていれば発達し、そうでなければ衰える、ただそれだけです。

 

なので、体形を見れば速い人かどうかはアタリがつきます。

ジムで鍛えたような逆三角形の体形はランニングには向いていません。

むしろウエストが細くない、どちらかというと寸胴に近い形で腰・胸・首が発達している人の方が速いことが多いです。

 

これは人体の重心の位置(おへそ当たり)に近い部分が発達している方が、ランニングの様に重心を移動させる際に、体の各部位の末端が軽いためモーメントが少なく済む分有利だからです。

ちょっと違いますが、先端が太くて重いバットを振るよりも、バトミントンのラケット振る方が楽で速いということです。

 

ただし、単に体幹の筋肉を増やせばいいわけでもありません。

無意識レベルで自由自在に使えるプログラムが脳にインストールされていないと、筋肉だけつけても走るときに発揮できないので、ただの重りになるだけです。

そういった人は体幹の表面ばかり筋肉が発達していて、内側から盛り上がるような体形をしていないので、見ただけでもランニングに使えないことがわかります。

 

ランニングに限らず、一流のスポーツ選手はそのような体形をしている人が多いです。

サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウド選手やバスケットのマイケル・ジョーダンなど写真を見ると首の太さが頭の幅とほぼ一緒なくらいです。

 

クリスティアーノ・ロナウド選手

クリスティアーノ・ロナウド | ゲキサカ

 

もちろん世界のトップクラスのランナーも太い筋肉は必要ないにもかかわらず、同じ特徴を持っています。

 

↓モハメド・ファラー選手

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もちろん体形は先天性的な要素にも大きく影響をうけます。

生まれつき足が長いとか、顔が小さい、といった部分は一生かかっても変えることは出来ません。

 

ただ、前の記事(歴史と食から見る日本人の武器は「超長距離」)でも触れたとおり、ケニア人が中長距離で圧倒的にランニング効率が良いのも、日本人が実はマラソンよりも長い距離において食べながら移動することに向いているのも、環境の違いにより体の使い方が異なり、それが代々受け継がれてきて身体的な特徴差が形作られたのだと考えています。

 

人の体は、人の想像を遥かに超えて実に合理的に出来ていると感じます。

生まれつきの身体能力や、普段の生活環境、親をはじめとする周りの他人の動きからの学び、普段の運動の種類と強度、その人自身の感性など、様々な要素が複雑に絡み合って今の体の使い方および体形が絶妙なバランスを持って形成されています。

ランニングフォームを変えるということはそのさまざまな要素を出来るだけ把握しつつ、必要な要素を注ぎ足していく、或いは間引いていく作業の繰り返しだと思います。

 

身体との対話とも言えると思います。

 

身体は耳を傾ければ雄弁に語ります。

またきちんと手順を踏んで語り掛ければ答えてくれる…はずです。

 

 皆さんの良きランニングライフの参考にしていただけたら幸いです。

 

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ケニアの高地トレーニングで”技術”も身に着けてはいかがでしょうか

今回はケニアでの高地トレーニングの効果について自身の体験から考えたことを書いていきたいと思います。

始めはまず私の経験談です。

裸足ランニングキャンプ(HADASHi RUNNING CAMP | NYAHURURU)があるケニアのニャフルルは人口が3万人ほどの小さな町で、草原や湿地が多く、標高はおおよそ2200~2300mあります。
朝は気温が低く、6℃くらいの日もありました。
日中は25℃前後、高くても30℃いかないくらいで、非常に過ごしやすいです。

ただし、標高は高いため心肺への負荷は高いです。
個人的には”動きに制限がかかる”感じでした。
リミッターがかけられるといったところでしょうか。
ジョギングをしてもペースは上がらないし、無理やり平地と同じペースを出すとすぐ息切れしだすといった状態でした。

現地の土のトラックでケニア人ランナーの1000mインターバルについていったところ、3分00秒ペース1本で精一杯でした。
走り終わった直後は頭が痛かったですが、日常生活中に高山病のような症状はありませんでした。

同じくケニアに行った他の方は高山病のような症状が出る方もいました。
一番ひどい方だと安静時心拍数が120拍/分前後で歩くのも辛そうでした。
その方は年齢こそ上の方でしたがトライアスロンもされており、決して身体能力が低いわけではありません。
元々の体質も関係してくるのだと思います。
そういった症状が出るかどうかは人それぞれなので、この点だけ見ると高地トレーニングは相性にかなり左右されるかもしれないと感じました。

また眠くなりやすいことと、普段より多く寝ても体力の回復も少ないように感じました。
疲れやすい上に回復しないので、体調も崩しやすいといったところです。

乾燥していることも地味にダメージありました。
肌がカサカサになって紫外線も強いので、日焼けはかなり痛いです。
乾燥と日焼け対策は必須です。

さて、経験から来る感想だけをつらつらと書いてきましたが、ここからはちゃんと分析していきたいと思います。

高地トレーニングの効果は一般的に心肺機能の向上に集約されています。
(参考リンク:高地トレーニング

つまり同じ練習をしていても高地である方が心肺への負担が大きいために、より強くなるといった単純な構図です。
その為高地から平地に戻ると2週間ほどで効果はなくなってしまうというのが通説のようです。

そのため、記録を狙う大会に合わせてスケジュールを組んで取り入れるのがセオリーになっています。
費用対効果を考えると一般のランナーには縁が無いかもしれません。

ただ、私が注目しているのはそれ以外の効果です。

ケニアのニャフルルは高地である上に練習環境がほとんど不整地、クロスカントリーになっています。
つまり心肺的に高負荷である上に、地面も平らではないため走りにくく、更に負担がかかるようになっています。

このような環境下では人はなるべく効率的に走るように、無駄な動きをしないように促されるのではないかと考えています。
つまり体を上手く使う技術が身につきやすいのではないかということです。

平地であればかなりスピードを上げないと負担に感じませんが、ケニアでは普段よりもかなり遅いスピードでもきつく感じます。
同じように負担に感じていても、動作のスピードが遅い方がより動きを意識しやすいでしょう。

極端に言うとケニアでは高地である上に不整地なので、歩くだけでもきつく感じますが走るより歩きの方が動作が遅いので修正も容易で、体を上手く使う技術が身につきやすいということです。
間違えるとすぐ辛くなってくるので、修正してまた試してみる「トライ&エラー」が短時間で繰り返せます。

高地トレーニングによって技術を学ぶという考え方には大きなメリットがあります。
それは効果が長続きするということです。

先に書いた通り、高地トレーニングの心肺機能における効果はかなり一時的なものです。
しかし、身に着けた技術は平地に戻っても忘れない限りは効果が続きます。
これはものすごいメリットではないでしょうか。

また、技術に焦点を当てるもう一つのメリットとしては高地で必ずしも厳しいトレーニングをする必要がないというところです。

高地では慣れない環境負荷により体調を崩してスケジュール通りに練習できない場合もあります。
そんなときでも技術を身に着けることを目標とするなら、極論歩くだけでも練習になります。
厳しいインターバルを必ずしもする必要がないのです。

ここまで高地トレーニングについて私なりの考えを書いてきましたが、技術とはかなり抽象的な概念なので、やはりメインは心肺機能の向上にあると思います。
ただ、せっかくお金と時間をかけて高地トレーニングを行うのであれば単に心肺機能を鍛えるだけでなく、技術も向上させるという副次的な目的もあった方が有意義ではないかという提案です。

昔のケニア人やエチオピア人は同じ環境でさらに裸足で走っていたというのは有名な話です。
そのような条件では身体能力はもちろんのこと、走る技術も高くなって当然でしょう。

私も現地で裸足になって歩いたり走ったりしましたが、4年少々の裸足歴では全然歯が立ちませんでした。
心肺が辛くないときでも、ケニア人のランナーに比べて明らかに不整地での走り方が下手で無駄に消耗していました。
問題は身体だけなく、技術不足も確かにあります。
その経験から体の使い方も磨かねばならないと感じています。

次に走るときは彼らに少しでも近づけるように工夫を重ねていきたいです。

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日本人ランナーが踵接地になりやすい2つの条件

普段、他の人が走っているとついついその姿を目で追ってしまいますが、見ているとほとんどの方は踵接地のランニングフォームとなっております。

これは一般的な市民ランナーでもレベルの高い学生ランナーでもほとんど変わりありません。

 

今回は日本人ランナーが踵接地になりやすい2つの理由について書いていきたいと思います。

 

まず、理由の一つ目は普段の走る環境がアスファルトやトラックなど平らで整地されていることです。

 

以前、このブログでケニア人がフォアフット走法になる理由という記事でも触れましたが、踵から接地してつま先まで抜ける走り方が出来るのは地面が均されて平らでないとできません。

その証拠に日本人でも階段の上り下りで踵から接地する人はほとんどいません。

ほとんどの人は階段では足の前の方で接地します。

 

これは階段の幅が狭く、踵からつま先まで抜ける長さがないからです。

特に降りるときですが、足場が限られた場所では不安定な踵から接地するとバランスを崩しやすいので、本能的に接地面積が広く安定する前足部でつこうとするのでしょう。

 

言うまでもなく、日本の平らな地面状況はすべて人が作り出したものです。

人は元々自然の中で生きていた動物の一種なので、不規則で不安定な、いわゆる自然な地面状況上では多くの人が踵接地ではなかったのではないかと私は考えます。

 

つまり、「踵接地になるのは整地された環境に適応した走り方を学習した結果」ではないか、ということです。

 

現にいまだに日常生活用路が草原のあぜ道や大きな石だらけ道ばかりであるケニア・ニャフルルのランナーたちは皆、踵接地ではありませんでした。


日本の道路で舗装化が進んだのは1960年代後半のモータリゼーションの始まりからだそうです。(舗装 - Wikipedia

もしかしたら意外と昭和中期くらいまでの日本人の走り方はほとんど踵接地ではなかったのかもしれません。

 

二つ目の理由はランニングシューズです。

 

現代のランニングシューズは踵の下にクッションがあるうえに、踵をしっかりとホールドしてくれていて、かつ接地面積も本来の踵よりも断然広くなっています。

 

要はシューズを履いていると踵から接地しても”安定”できるのです。

 

また、面積が広くなることで圧力が踵から接地しても痛くないという側面もあります。

同じ体重で同じ速度で走るのであれば接地面積が広い方が圧力は少なくて済みます。

そしてクッションの存在は踵への衝撃を分散してくれるために痛みをさらに消失させてくれます。

 

裸足では踵から接地することは難しいです。

何故なら”痛い”からです。

 

踵から地面につくと衝撃がダイレクトに骨や膝などの関節部に伝わってしまいます。

しかも面積が踵は狭いので圧力も高く、より痛く感じます。

 

前足部から着くと足のアーチに関係する細かい多くの腱やふくらはぎにあるアキレス腱が伸びることによって衝撃を吸収してくれます。

また前足部は踵に比べて面積が広いので圧力も少ないです。

 

なのでアスファルトの上であっても裸足、もしくは裸足に限りなく近いベアフット系シューズを使うと踵接地がし辛くなります。

 

私自身もランニングシューズを使用していた時はどうしても踵の外側がすぐ削れていました。

ベアフット系シューズで走っているここ数年は踵はほとんど減らなくなりました。

減るとしても踵の真ん中あたりだけです。

(注意:前足部から着地しても踵が地面につかないわけではありません)

 

私の周りでもベアフット系シューズ或いはベアフットランニングをしている方はほとんど前足部から着地しています。

それも1人2人ではなく、数百人単位です。

その中に踵接地の方はいたかどうか思い出すのも難しいくらい少ないです。

さて、ここまでで踵接地になりやすい2つの条件を書いてきましたが、日本人で上記二つの条件に当てはまらない人がどのくらいいるのでしょうか。

 

ここまで読んでいただいたならお気づきだと思いますが、この2つの理由はAND条件です。

この2つが揃うと踵接地になりやすくなると考えられます。

逆にこの二つの条件のどちらか一方でも外れると踵接地でなくなる可能性が高いです。

 

そして日本人ランナーのほぼすべての方が2つの条件に当てはまるので、踵接地が圧倒的に多くなっているのでしょう。

(つまりこれは日本人に限らず、条件を満たしていれどんな人でもそうなりやすいということでもあります。決して日本人だから踵接地になるということではありません)

 

一つ留意してほしいことがありますが、あくまで2つの条件が揃っていると踵接地になりやすいということで、必ずしも条件に当てはまる全ての人が踵接地になるわけではありません。

 

同条件下でも違う学習をする人は必ずいます。

 

日本人ランナーでシューズを使い、トラックやアスファルトの上でばかり練習していても前足部から接地するランナーを一定数見たことがあります。

割合は少ないことは少ないですが、いないということはないです。

 

ただ、この条件を満たしていると多くの人は踵接地になりやすいといった仮説だとご理解いただけると幸いです。

 

 

【お知らせ】愛知・名古屋 2018.6.30(土)ケニア式ベアフットランニング教室 名城公園開催します。

このブログで書いているケニア人の走り方を身に着けるための、動き作りだけを中心とした”走らない”ランニング教室を開催します。

 

当ブログの記事(ケニア人に近づくための体幹連動トレーニング - ランニング言いたい放題)で紹介しているインターロックトレーニングや、ランニングへの応用などやります。

 

詳細・お申し込みは以下のページよりお願いします。

【愛知・名古屋】2018.6.30(土)ケニア式ベアフットランニング教室 名城公園 | イベント | 日本ベアフット・ランニング協会

【お知らせ】CSPスポーツ応援チャンネル(ラジオ)に出演しました。

少し前のことになりますが、ご縁あって4月20日にCSPスポーツ応援チャンネル、「高岡尚司のベアフットランニングチャンネル」に出演させて頂きました。

 

高岡尚司さん、CSPスポーツ応援チャンネルのスタッフの皆様、ありがとうございました。

 

その時の動画がこちらです。

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

この時に話した内容の記事は下記になります。

ケニア人がフォアフット走法になる理由 - ランニング言いたい放題

 

 

歴史と食から見る日本人の武器は「超長距離」

今回のテーマはケニア人を招待したり、逆に私や他の日本人の方がケニアに行って気が付いた、歴史と食事から見るケニア人と日本人の違いと日本人の武器について書いていきたいと思います。

 

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2018年5月20日(日)に開催された第7回飯能ベアフットマラソンではケニアのニャフルルから、地元のランナーを1人招待しました。

昨年に引き続き、ケニア人の招待・接待に関わったのはこれで2回目になります。

(ただし、私がしたことは招待に関する書類作成やランチの付き添いなど簡単なものです。私は英語も拙いので、本当に大したことはしておりません)

 

ケニア人を招待して何が一番困るかというと「食事」です。

 

2人招待して1・2回ずつ飲食店に案内したのですが、食べる選択肢が少ない。

ケニアには無い食べ物・料理が多すぎてケニア人はほとんど食べないのです。

 

ケニアに行ったときに現地のランナーに日本食を一緒に食べようとしたときもそうでした。

海苔も味噌も酢飯も食べないし、食べても一口でやめます。

冷たい飲み物も好きではないケニア人が多いです。

 

料理を任せると味付けは「塩」のみになりますし、彼らの主食である「ウガリ」は私からすると味のない、重くどっしりとした蒸しパンもどき、といったところです。

(なおウガリに海苔を巻いてところ食べやすくなって意外とおいしかったです)

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ケニア人は食事に対して、味に無関心かつ不寛容な傾向があります。

 

では、日本人はどうかと言うと、まず私はケニアに行って食事に困ったことはありません。

幸いにも食事にあたることもありませんでした。

他の日本人の方も食事で好き嫌いはあれど、基本的には食事は皆さん食べられていました。

 

日本人はケニア人に比べると食事に対する寛容性は高いです。

 

何故このような違いがでるのでしょうか。

 

これは人類の進化の歴史から推測しました。

ここからはアフリカ単一起源説(人はアフリカから世界中に伝播していったという仮説です)を正として話を進めます。

 

現生の人類はすべてアフリカから端を発したと言われています。

なので元をたどればケニア人も日本人もアフリカから生まれています。

 

ケニア人はずっとアフリカで生きてきた人類です。

 

ケニアがどういう場所かというと、大地が豊かで、農業に詳しい方の話によるととても良い土壌をしているそうです。

調べたところ、ケニアの土壌はニティソル(Nitisols) というらしく、非常に良い赤土だそうです。

(参考リンク:アフリカの土壌の特徴

赤道直下で日照もよく、かつ高地でありながら乾季でも水がなくなることはないほどに水源もあります。

そのため野菜や果物の栄養価も高いです。

ウガリも味はイマイチでしたが、栄養価は高いように感じました。

ついでに言うと鶏卵も栄養豊富で殻が固く、非常においしかったです。

 

また、ケニア人はずっとアフリカにいた人類なので、経験してきた食品の種類は多くありません。

つまり食べ物に比較的困らなかったことが推測されます。

 

対して日本人はどうかと言うとアフリカを出て、遠くこの極東まで移動してきた人類です。

 

長く厳しかったであろう移動では、とりあえず何でも食べて消化・吸収できないと生き残れなかったでしょう。

そのため消化器官が発達し、胴長になったのではないかと考えられます。

日本人は生もの、キノコ、海藻、発酵食品、両生類・爬虫類や虫までおおよそ何でも食べれることこそがその証左でしょう。

遺伝子的に近い中国人も何でも食べることで有名ですね。

 

両者を比べると弱点や武器がはっきりしてきます。

 

手足が長いケニア人は跳躍能力や疾走時の効率において優れています。

また腸が短い分、おそらく食物が体内に留まる時間も短いので、体幹を動かしやすい傾向にあるでしょう。

その反面消化能力やエネルギーの貯蓄量に難があります。

 

日本人は胴長で手足が短いため、ケニア人に比べると跳躍能力や効率は劣ります。

腸が長く、消化・排泄するまでに時間がかかるため、体幹をあまり動かさないような運動習慣が身についたのでしょう。

もしかしたら、日本舞踊や盆踊りのような体幹をあまり使わない踊りが文化として根付いたのは、これが原因かもしれません。

 

ただし、消化機能は強いです。

例えるなら、タンクは大きく、ハイオクでもレギュラーでも軽油でも、なんなら重油でも動けるといったところでしょうか。

なので速度が遅めな超長距離には強い。

 

これこそ日本人の弱点であり、同時に武器でしょう。

これがあるからこそアフリカから日本まで私たちの祖先は生き残れたのではないでしょうか。

 

事実、100kmウルトラマラソンの世界記録は日本人の砂田貴裕氏ですし、日本人と遺伝子的に近いグループにある民族には、ワラーチで有名な、あのタラウマラ族もいます。

(ネット上に数ある写真を見る限り、タラウマラ族も足はケニア人の様に長くはない)

 

こう考えると日本人もなかなか悪くはないのではないでしょうか。

 

確かに体のスタイルはあまりよくはないかもしれませんが、我々の祖先はまっとうにたくましく生き残ってきたのであり、そのポテンシャルはケニア人に決して劣るものではありません。

少し方向性が違うだけです。

 

スポーツにおいて己を知ることは極めて大切です。

そして自身の要素は祖先のルーツの影響をかなり大きく受けていることは間違いないでしょう。

 

まさに”人に歴史あり”ということだと思います。

 

ただ、ケニア人の体幹の動きを日本人が出来たら、それはそれで面白い全く未知の化学反応が待っていると思うので、引き続きケニア人に近づくためのトレーニングは続けていきたい次第です。