ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。走るのが好きな人|裸足で走ったりケニアで走ったり|メインテーマは『ケニア人ランナーの動きの再現』です。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

なぜマサイ族はベアフットで高く飛べるのか

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https://i.ytimg.com/vi/cMQCmJweixQ/maxresdefault.jpg

引用元:https://i.ytimg.com/vi/cMQCmJweixQ/maxresdefault.jpg

 

ケニア人といったらマサイ族は有名ですね。

そしてマサイ族と言ったら”ジャンプ”ですね。

 

 

今回は彼らがなぜ高いジャンプが出来るのか私なりの考察を述べたいと思います。

 

まず最初に謝らねばいけないことがあります。

私はケニアに行きましたが、マサイ族には実際に会っていないです。

 

機会がなかったわけではありませんが、正直あまり興味なかったのでトレーニングを優先しました。

なので、ここで書かせて頂くのはマサイ族が高いジャンプが出来る理由をケニア人に共通する身体的能力から私が推測したものになります。

 

誠に申し訳ありません。

 

さて、マサイ族がジャンプしている動画や画像を見ると裸足や或いはサンダルのようなもので飛んでいます。

間違っても反発力のある高機能シューズは使っていないようです。

地面も土なので、陸上競技場のようなタータントラックに比べたら全く反発力はないでしょう。

 

それでも高く飛べる理由とは何でしょうか。

 

恐らくですが、これも体幹の使い方が鍵なのではないかと考えています。

私のブログでいくつも記事を書いてきた通り、ケニア人の、もっと言うとアフリカンの体幹の使い方は日本人とは全く異なります。
(参照:ケニア カテゴリーの記事一覧 - ランニング言いたい放題

これはジャンプするときも同じです。

 

ケニア人がジャンプする際は体幹、特に胸のあたりから飛び始めます。

体幹から派生し、連動して動くことによって足へとエネルギーが伝わっていって飛び上がるに至ります。

体幹、背骨とその周りの筋肉や腱がしなることによってスプリングのように働きます。

なので下半身の筋肉や腱に頼ってジャンプしているわけではありません。

 

マサイ族のジャンプの動画を見て頂ければ良くわかりますが、誰も膝をほとんど曲げていません。

彼らの下半身が細く筋肉が発達していないことから、少なくともジャンプの際に下半身の筋肉を使っていないことが推測されます。

 

では下半身の腱はどうでしょうか。

 

ケニア人のジャンプの強さはアキレス腱にあるとよく聞きますが、これには少々懐疑的です。

アキレス腱は一つの腱としては最も強力で長いものの、体の末端であるふくらはぎの部分を占めるにすぎず、言われるほど弾性エネルギーを発揮できるとは考えにくいからです。

ふくらはぎ二つよりも、体幹部分の方が圧倒的に腱も筋肉も総量が多いので、ジャンプにおいてアキレス腱も決して無視できる要素ではありませんが、体幹の方が重要だと考えています。

 

背骨がしなってスプリングのような働きをするのはちょうど動物、陸生哺乳類のジャンプにも共通します。

ここでは猫で見てみましょう。

下の動画のちょうど8秒あたりから見てください。

www.youtube.com

 

ジャンプする前に背中が丸くなってためた状態から伸び上がることによって猫の体長を上回るほどのジャンプをしています。

ケニア人も猫ほど大きくは動きませんが、体幹がしなって連動することによってスプリングのような役割をして飛ぶため、”動物的な”ジャンプが可能になります。

 

体幹を使ってジャンプすることは高く飛べる以外にもメリットがあります。

また猫の動画を8秒からみてください。

背中を丸めてから伸び上がってジャンプし、そのまま伸びた状態を保ったまま下に落ちて、着地の次の瞬間にはまた背中が丸くなっています。

これは体幹を使って着地の衝撃を吸収・分散していると推測できます。

 

体幹がスプリングのように使えるのであれば、ジャンプの推進力になるだけでなく、高いところから降りる際の衝撃吸収にも役立つでしょう。

そう考えると裸足という全く足裏の保護が無くてもジャンプできるのもうなずけます。

もし高くジャンプしたはいいものの着地が下手で当たり所が悪ければ、冗談でもなんでもなく二度とジャンプすることは出来なくなるはずです。

 

先ほどアキレス腱はそれほど重要ではないと書いた理由はここでも同じです。

いくら人体最長・最強の腱だからと言って高いところから落ちてくる全体重をアキレス腱だけで吸収することは難しいでしょう。

 

これは蛇足で完全に想像ですが、マサイ族は体幹の使い方を天敵であるライオンから学んだのではないでしょうか。

ライオンを狩るのにライオンの動きがわからないようではマサイ族が狩られてしまいますし、ライオンの強靭さを知っているであろうマサイ族ならライオンのマネをするのは全く不思議ではないと思うのです。

 

閑話休題

 

つまり、マサイ族は体幹の使い方が動物的に上手いために裸足でも或いはサンダルでも高くジャンプすることができ、また着地でも体幹で上手く衝撃吸収できると考えられるのです。

 

これはもちろん日本人であってもマネすることは十分に可能だと思います。

アキレス腱の長さだとどうしようもないですが、体幹をうまく使えるかどうかは”技術”なので日本人でもマサイ族に迫るジャンプが出来る可能性は十分にあるでしょう。

 

しかも高くジャンプできる・衝撃をうまく吸収できる能力はいってみればジャンプの連続動作であるランニングにおいて強力な武器になります。

これもマサイ族だけでなくケニア人、アフリカンがトラック種目・跳躍種目で無敵である理由の一つでしょう。

 

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