ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。6歳からランナー、ケガに悩む→2014年靴を捨て裸足になる→2017年ケニアに行く|ケガしやすい自分のためにも楽で速い=究極のランニング目指してブログ配信中。記録やケガにお悩みのランナーにおススメです。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

足を引く③~ケニア人ランナーはスーパーボール!?~

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runner-takuya-sugo.hatenablog.com

こちらの記事の続きになります。

 

足を引く、3回目の記事のテーマは何故足を引くのか、というところを説明していきたいと思います。

 

ランニングでスピードを維持しようとすると、人は何らかの力を出さねばいけません。

何故なら前方方向に進む力は一歩ごとに減衰するからです。

なので一歩ごとに加速しなければ速度を維持することはできません。

 

ではどうやって加速するかですが、位置エネルギーや筋力によるエネルギー、弾性エネルギーなどを使います。

 

前回上げた人の走るサイクル【宙→着地→最大荷重→離地→宙】にあてはめると

【宙→着地→最大荷重】:位置エネルギー、筋力

【最大荷重→離地→宙】:弾性エネルギー、筋力

 となります。

 

順に説明していきたいと思います。

 

まず注意していただきたいことですが、ここで上げている弾性エネルギーは地面から力をもらうことではないです。

よく地面から力をもらうという表現を聞きますが、これ自体は物理的にありえない現象です。

 

地面を押すとそれと同じだけ反作用として床反力は発生しますが、これによって推進力を生むことは不可能です。

何故なら押す力と必ず相殺されるからです。

 

実際は地面から力をもらっているのではなく、人間の体が持つ弾性によって弾んでいるだけです。

 

例えて話すとわかりやすいでしょう。

 

バスケットボールを高さ1mから地面(地面の弾性は0と仮定)に落とすと弾みます。

これが同じくらいの大きさの重いコンクリートのブロックなら全く跳ね返りません。

 

地面に落ちた時に地面を押す力=床反力はバスケットボールよりもコンクリートのほうが遥かに大きいですが、コンクリートは弾性がほとんどないため、弾まないのです。

もし地面から力をもらう、という現象を実現するのであればシーソーのような上にある物体を跳ね上げる仕掛けを地面に設置しなければいけません。

 

よほど特殊な環境でない限り、地面は物理的な仕事をしません。

その為地面から力をもらうことは考えられません。

 

人間にはバスケットボールと同じように弾性が存在するため、弾みます。

そして重心の位置をうまく前方向にずらして、弾む力を推進力に変えています。

 

ただし、ここで注意したいのはどんなに弾性があったとしても、元の位置の高さには帰ってこない、と言うことです。

手を離したらずっと元の位置の高さで弾み続けるバスケットボールが存在しないのと同じです。

つまり、下記の式が成り立ちます。

位置エネルギー > 弾性エネルギー

なので、全く何も力を加えないと人は止まります。

だんだん加速力がなくなってくるからです。

バスケットボールも弾む高さがだんだん低くなって、最後は止まってしまうように。

 

では加速力、この場合は高さを保つためにはどうしたらいいでしょうか。

バスケットボールを例にして考えてみましょう。

 

バスケットボールの弾む高さを保つ方法には2通りあります。

 

一つは勢いよく地面にたたきつける方法です。

これはよく見るドリブルのやり方ですね。

落とすときの高さは同じであっても、落ちる速さを上げれば同じ高さに戻ってきます。

 

先のサイクルであげるところの

【宙→着地→最大荷重】:位置エネルギー、筋力

にあたります。

 

叩きつけるパターンの加速方法の利点は加速のしやすさと、大きく加速できるところにあります。

 

落ちるものを上から叩けばいいのですからそれほど難しいことはありません。

また、落ちているということは既に重力加速度で加速されているのですから、そこに力を加えれば加えるほど更により大きく加速できるでしょう。

 

デメリットとしては衝撃が強いことと、速く強く力を加えなければいけないところです。

 

衝撃が強いことは説明が要らないかもしれませんね。

バスケットボールは丈夫にできてますし、痛みも感じなければ骨折もしないので思う存分地面に叩きつけられますが、これが足だったら無理ですよね。

 

速く強く力を加えなければいけない、とは『落ちる速度=重力加速度よりも遅く押しても加速されない』ということです。

弱くゆっくり押してたらドリブルできないよ、と言ったらわかりやすいでしょうか。

だから短距離が速い人は筋肉隆々で速筋が発達しているのでしょうね。

 

以上から、叩きつけるパターンの加速の仕方は短距離向けです。

長距離では衝撃面でも速度面でも無理があります。

 

バスケットボールの弾む高さを保つ2つ目の方法は『引き上げる』ことです。

最もわかりやすいイメージだとバスケットボールに釣り糸をつけて竿で引っ張る形、でしょうか。

 

この方法がサイクルの

【最大荷重→離地→宙】:弾性エネルギー、筋力

にあたります。

 

メリットは衝撃の少なさと労力の少なさにあります。

衝撃については自然落下による必要最低限の衝撃になりますので、叩きつけることに比べたらかなり少ないでしょう。

また、弾性エネルギーでは不足してしまう高さの分だけ引き上げればいいだけなので、多く引く必要もなく、速度も叩きつけるよりは遅くてもかまいません。

 

デメリットとしてはあまり加速できないことにあります。

人が上げられる足の高さは決まっています。

なので引き上げる方式ではその人の引き上げられる足の高さが加速の上限となります。

(高さと加速度は正比例関係にあるためです)

足の長い人が特に長距離で有利な理由も、一つはこのためでしょうね。

叩きつける方式も筋力と速度の限界という上限がありますが、それは引き上げる方式よりもずっと上にあるでしょう。

 

話をまとめますと長距離においては引き上げる方式の方が衝撃も労力も少なくて済むので向いているということと、体がより弾性があり、その弾性をうまく発揮できるほうが筋力をあまり使わなくて済むということです。

 

筋力で進むこともできなくはないですが、弾性に優れていて弾性エネルギーをうまく使ったほうがどちらの方式であっても有利です。

空気が抜けたバスケットボールより空気が入ったバスケットボールのほうがよく弾むしドリブルも楽です。

あとせっかく弾むバスケットボールでも地面についた瞬間に地面に押し付けてはダメです。

弾性の無駄遣いです。

だから地面を押しても蹴ってもいけないのです。

 

要するに全身がバネの塊でスーパーボールのように弾んで、うまく活かせるのだったら長距離は凄い有利なのです。

ケニア人は本当にバネの塊でよく弾みます。

ケニア人に縄跳びをする時のように小刻みにジャンプをしてもらって、後ろから肩を下向きに押したとき、つまりバスケットボールをドリブルするようにしたときは、びっくりするくらい大きく跳ね返ってきました。

日本人でも跳ね返ってくることは跳ね返ってくるのですが(こない人もいましたが)、比べるまでもないです。

 

最後はやや強引にケニア人の話をしてしまいましたが、結論としては体にある弾性をうまく使って走っていただけるとより楽に、速く走れるだろうということです。

 

是非参考にしてみてください。

 

 

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