筋肉ではなく骨を中心に走る
皆さんは普段腕立て伏せやスクワット、プランクなどの筋力トレーニングを練習に取り入れているでしょうか。
私は筋トレをすることはほとんどありません。
何故なら動きが未熟で筋トレをする段階に至ってないからです。
今回は体の基本的効率的な動き方について書いていこうと思います。
ランニングをするときはどこどこの筋肉を使うといい、とか、どこどこの筋肉を鍛えたほうがいい、とか良く耳にしますが、私はナンセンスだと思います。
何故かと言うと人の動きの中心は『骨』だからです。
人は筋肉に逆らって動くことはいくらでもできます。
むしろ人間の動きは何であれ、どこかしらの筋肉の動きに逆らって動いています。(拮抗筋ですね)
しかし、骨に逆らって動くことはできません。
こんな動きが出来たら骨折してしまいます。
これだけでも骨が重要だとわかりますが、もう少し分かりやすい例を出して説明しましょう。
野球のバッターで例えてみます。
バッターにおいて最も大事な要素は何だと思いますか。
筋力でしょうか?
それともスイングスピードでしょうか?
答えは「バットをボールに当てられること」です。
どんなに力があっても、どんなにスイングのスピードがあっても、ボールに当てられないバッターの価値は『ゼロ』です。
バットがきちんと動かせるようになって初めて筋力は意味を持つのです。
ここで言うバットは骨にあたります。
つまり、言い換えると骨がきちんと動かせてから筋力に目を向けるべきなのです。
筋肉を中心とする弊害は他にもあります。
まずは筋肉の走行の問題です。
走る時であればハムストリングスを意識すればいいと良く言いますが、もし本当にハムストリングスだけ働いたら大変です。
ハムストリングスはお尻から膝のあたりまで厳密に真っすぐついているわけではないので、斜め後ろに足が振られます。
そしてそれを補正するために他の筋肉は逆の向きに力を発揮しなければいけません。
そうやって方向を調整するわけですが、はっきりいってその動きは無駄の一言に限ります。
一つの筋肉で完結する動きなんて人体の構造上ありえません。
無数の筋肉がお互いに調和することで人は動くことができるのです。
繰り返しになりますが、調和できてないのに筋トレするなんて百年早いです。
弊害の2つ目としては感覚が悪くなるということがあります。
骨で動くとは言うものの、人間の骨はご存知の通り筋肉で包まれています。
なので筋肉に目が言っている人は骨を感じることはまず無理でしょう。
先の例のバッターで言うならバットの位置や軌跡、動きを認知できないバッターがボールにバットを当てることができるかというと、まあまず不可能でしょう。
そもそも、骨の配置が綺麗に揃っていて、骨がきちんと動かせていれば、それに対応した筋肉が自然と最適な形で発達します。
わざわざ部位を特定して筋トレする必要はほとんどないのです。
もしボディビルダーのように見せる筋肉をつけたいのであればまた話は異なりますが、あらゆるスポーツにおいて不要な筋肉は無用な重りであり、無駄なエネルギーを消費し、結果パフォーマンスの低下に繋がります。
スポーツにおいて筋トレというのは体全体のバランスを選手が理解していて、同じく理解のあるサポーターが付きながら慎重に行うものなので、そういった環境がそろっているプロ選手がやるのであればまだしも、そうではない市民ランナーや学生ランナーが手を付ける必要性はかなり低いです。
むしろ無駄な筋肉をつけてしまったためにパフォーマンスが落ちて、かえってケガし易くなります。
つまり時間の無駄です。
遅くなるためにトレーニングしているようなものです。
私もいまだ動きは直すべきところがあるので、筋トレは練習に取り入れる予定はないです。
骨を最適に動かすことが無駄のない動きにつながりますが、これはなかなか難しいことなのです。
稀に結果的に出来ている人もいますが、大多数の方はそうではないかと思います。
そこで私が考える骨を最適に動かすようになれる方法を提案します。
あくまで方法の一つなので、必ずできるようになるわけではありませんが、多少参考にはなるかと思います。
骨から動かすようになるためにはまず骨格を覚えることから始めます。
人体の骨格標本が目の前にあれば話は早いのですが、そういう機会はなかなかないでしょう。(私も人体模型がほしい)
ネットで調べれば骨格図とか沢山あるので、それで見るのもいいと思います。
また、最近は骨はもちろんのこと、筋肉や神経など人体構造を、3Dグラフィックで好きなだけ見ることができるサイトやアプリもありますので、かなり簡単に学ぶことはできると思います。
参考リンク(PC推奨):Human Anatomy and Disease in Interactive 3D | BioDigital Human Platform
3Dで見てみればわかりますが、骨格は自分が考えていたものとはかなり違ったりします。
肩甲骨の形がかなり複雑になっているところや、肩が胴体と骨で接しているのは胸の前の鎖骨であることとか、太ももの骨である大腿骨はL字になっていて真っすぐ下に伸びているわけではないところなど、おそらく沢山あるかと思います。
次にその骨をどう配置したら、どう動かしたら効率的かを考えます。
これはどんな動作をするかスポーツによって分化するところでもあると思います。
ランニングであれば頭蓋骨、背骨、骨盤、大腿骨、脛骨、腓骨、および足部の骨がどう並んでどう動かしたらバランスが取れていて無駄がないか、また肩甲骨から始まる腕の部分をどう動かせばいいのか、と考えることになります。
どう動かせば正しいかを一から考えるのは難しいので、私は速い選手、主にケニア人ランナーの動きから骨の動きを想像して、便宜的にそれを効率的なものとしています。
そして最後に自分の骨がどうなっているか感じながら、理想とする骨の配置や動きに重ねていくのです。
これは何も動く時だけでなく、ただ立っているときの姿勢から理想の配置を目指します。
これらのプロセスを踏むことによって立ち姿勢や動きがどんどん最適化されていくだろうと思われます。
そして骨を中心に動くことができればそれに見合った筋肉が自然とつき、結果的に体全体の最適化につながると私は考えています。
何もこれはスポーツだけでなく、日常的な体を使うこと、または体の姿勢を整えるなど健康の改善にも役立つ方法だと思います。
興味があったらぜひ試してみてください。
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