ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。6歳からランナー、ケガに悩む→2014年靴を捨て裸足になる→2017年ケニアに行く|ケガしやすい自分のためにも楽で速い=究極のランニング目指してブログ配信中。記録やケガにお悩みのランナーにおススメです。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

長距離ランナーにとって重要な身体能力を物理的に考える

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今回の記事は長距離を走るランナーにとって重要な身体能力について考察してみました。

まずは身体能力の定義からです。

一般的に身体能力というと若干広い意味があるので、なるべく厳密にします。

 

身体能力ですが、当然かもしれませんが精神的なものを除きます。

性格や嗜好、気力的なものですね。

あとは技術的要素も該当しません。

つまり、バランス感覚だとか運動の巧緻性、走り方などがこれにあたります。

 

なので、要するに今回書く身体能力とは人間の身体のスペック、ポテンシャルと言ったほうが正確です。

身長や体重、筋力や足の長さといったものですね。

 

以上を前提として話を進めていきたいと思います。

 

長距離ランナーにとって最も重要な身体能力が何かを考えるときに、まず参考になるのは現代で最も速いランナーたちの体つきです。

現代で最も速いランナーたちはケニアエチオピア出身のアフリカ系ランナーに集中しています。

彼らの見た目は手足が細くて長いです。

下の写真は男子フルマラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手です。

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【エリウド・キプチョゲ インタビュー】 ロンドンへの決意とフライプリント。 「世界記録で走ることが自分の使命」より引用)

 

彼もまた手足が細く長いです。

 

何故手足、特に足が長くて細いほうが有利なのかというと、逆に足が太いと足を前後に振る時に必要な労力(モーメント)が大きい、つまり足を動かすのが大変なので、足は細いほうが有利です。

足の長さは身長に対するストライドの割合に影響してくるので、長いほうがストライドが伸びて有利です。

 

この辺りは一般的にも良く知られていることなので、割愛します。

 

他に重要な身体能力を考えるにあたって参考になるのは長距離ランニングの特性ですね。

長距離ランニングで重要視される要素としてはエネルギー効率があります。

自動車で言うなら燃費の良さですね。

ケニアエチオピアの選手は皆、ランニングエコノミーに優れていると聞きます。

ではエネルギー効率にかかわってくる身体能力とは何でしょうか。

 

先ほどの細長い手足もエネルギー効率にかかわってきますが、もう一つエネルギー効率に大きくかかわってくる身体能力としては弾性があります。

ランニングは跳躍の連続動作なので、弾性に優れているほうがエネルギー効率上は有利です

弾性とは弾みやすさのことで分かりやすい例で言うとバスケットボールとか、スーパーボールは弾性に優れています。

スーパーボールは前方に投げて地面につくと弾んでどんどん進んでいきますよね。

ちょうど人間のランニングも同じようなものです。

逆に陸上競技砲丸投げで使われるあの鉄球(砲丸)は同じ球でも弾性はほとんどありませんので、投げて地面についてもほとんど弾みません。

 

人間の弾性はどこから発生しているかというと主にアキレス腱とかのです。

あとは筋膜もかかわってきている可能性がありますが、筋膜自体は医学的研究が発展途上なので、ここでは記述を控えます。

なので弾性に優れている身体=強力なゴムのような腱を備えている身体、という認識でひとまず大丈夫だと思います。

 

強力なゴムのような腱ということは身体の柔軟性は低くなります。

つまり身体の弾性と柔軟性は負の相関関係にあります。

手で簡単に伸ばせてしまうような柔らかいゴムは弾性がほとんどないので。

なので、身体の柔らかい人は実は長距離ランナーにあまり向いていません。

物理的に考えて上記で説明してきたように難しいこともありますし、私の経験上も速いランナーは皆体が硬い傾向にあります。

逆に体操選手のように体の柔らかい選手で速いランナーはほとんど見たことがありませんし、ケガもかえって多いです。

体の柔らかい人が長距離を走るとケガが多い理由としては本来は弾性によって賄えるはずの運動エネルギーを得られないので、筋肉で無理をしてスピードを維持するしかなく、非効率的だからです。

だから、弾性に優れた選手に比べ同じ速度で走る時のエネルギーの消耗が激しく、結果ケガもしやすくなります。

 

ストレッチをしたほうがケガをしにくいというのは、主に日常的な運動不足により腱や筋肉が固まっていて関節の動きが悪い人にしか当てはまりません。

現代人は座ったり、立ちっぱなしであったりとかなり多くの方が(おそらくこれを見ている読者の方もほぼ該当するでしょう)日常的に運動不足であるためにストレッチのような準備運動が必要なだけです。

一定以上の柔軟性は長距離ランナーにとって必要ではありません。

むしろケガが増える可能性が高いので個人的には不要だと考えています。

 

手足の細長さと弾性が重要ということから逆にそれほど重要ではないと思われる身体能力要素がもう一つあります。

それは太くて強力な筋肉です。

筋肉の発揮できる力は筋肉の断面積に比例するので強力な筋肉は太く重くなってしまいます。
そうすると手足の細さの下りで説明した通り、足を動かすときに必要な労力が増えてしまうために非効率になってしまいます。

また、ランニングは跳躍の連続であるため、筋肉が多いと重くてあまり弾まなくなってしまいます。

同じスーパーボールでも重りが無いものとあるものでは無いほうが高く弾みます。

それと同じです。

 

短期的に見るなら筋力を発揮して大きく弾むことはできますが、筋肉が動くには糖質や脂質などエネルギー源、自動車で言う燃料を必要とするので、中長期的に見ると筋力で弾むことはすぐに燃料切れが起きるので効率的ではありません。

長距離ランナーに必要な筋肉としてはボディビルダーのような太くて大きい筋肉ではなく、細くて持久力に優れたものであることが考えられます。

 

結論をまとめると手足が細長く、弾性に優れていることが長距離ランナーにとって重要な身体能力ということになります

 

これを自身に活用するとしたらより重要なのは弾性のほうです。

何故かというと手足の細長さ、特に長さはほぼ生まれつきの遺伝で決定してしまうため工夫の余地が無いからです。

弾性はこちらも先天性的な部分は大きいでしょうが、最近の研究では腱自体は鍛えることによってある程度その能力を高めることが可能だと言われているようです。

(参考:How to Strengthen Tendons and Ligaments | Livestrong.com

 

また、弾性というのは身体能力ですが、例え弾性に優れていなくても身体技術により結果的に弾性に優れている身体と同じくらい弾むことがある程度可能です。

簡単に言うと体の使い方、弾み方がうまい人は身体の弾性がそれほどなくてもより弾むことができるということです。

上手く弾むためのトレーニングとしてはプライオメトリクストレーニングがあります。

これはネットで調べていただければいくらでも出てくると思いますので、そちらを参考にしていただければよいかと思います。

(参考:運動選手のためのプライオメトリックワークアウトのトップ6 - Freelap USA

 

今回はこの辺で筆を置きたいと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

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