ケニア人がフォアフット走法になる理由
2017年にケニア・ニャフルルの裸足ランニングキャンプ(http://hadashi-world.com/)に滞在していた時にニャフルル市内の市場を撮った写真です。
見て頂ければお分かりの通り、地面は土です。
ケニア人をはじめとするアフリカ系のランナーがなぜ皆フォアフット走法(正確には小指球から接地する走法)であるのか、私はずっと疑問に思っていました。
始めは彼らが子供の時から裸足で生活しているからだと長らく思っていました。
私は今、ベアフットランニングに取り組んでおり、普段も裸足や極めて裸足に近いベアフット系のシューズ(VibramFiveFingers)で練習しているのですが、ベアフットで練習すると踵から接地することが痛くてできないので、割と自然な形で小指球(小指の付け根の部分)から着地せざるを得なくなります。
4年前にはじめてVibramFiveFingersを履いて歩いた時に自然にフォアフットから接地したので驚きました。
10数年かけて出来なかったことがこんなに簡単にできるのか、と思いました。
ではケニア人はどうでしょうか。
私の自身の経験と、ケニア人トップレベルのランナーは裸足で育ったという情報から、「彼らは裸足で育ったからみんなフォアフット走法なのだろう」と思っていました。
ですが、前の記事(ケニア人はもう裸足で走ってない - ランニング言いたい放題)でも書いた通り、既にケニア人で裸足で生活している人は皆無でした。
選手たちもほぼ100%シューズを履いて走っています。(かなり使い込んではいますが)
そんな選手たちももれなく大多数がフォアフット走法でした。
ということは、裸足が要因ではありません。
ただ、この疑問は幸いながらも、彼らと一緒にニャフルルを走ることで氷解しました。
こちらはニャフルルの町から1kmくらい離れた草原の写真です。
はい、100%クロスカントリーですね。
こういう中をケニア人と一緒に走ったのですが地面が凸凹だらけの中、私はずっと下を向いて走っていました。
日本の登山道も比較にならないくらいに整地されていないので、そうせざるを得なかったのです。
ふと、一緒に走っているケニア人見ると驚きました。
彼らは全く下を向いていなかったのです。
一人二人ではなく全員です。
ケニアには日本のようにアスファルトで平らに整地された道はほとんどなく、車で走るとサスペンションが壊れるんじゃないかと思うほど凹凸が激しいです。
それが日常である彼らにとっては、日本人が通勤通学で下を見て歩く必要がないのと同じくらいハードな道に慣れているのです。
そんな道だから彼らがフォアフット走法になるのだと私は思うのです。
そもそも踵から着地するには、地面が平らじゃないとできません。
大小さまざまな凹凸がある場所では踵から着地してつま先から抜けるなんて方法では歩くことすらできません。
足が踵から着地してつま先から抜けるためには、その間に地面が平らであることが前提になります。
何故なら踵からつま先の間に突起物があった場合は、途中で突っかかってつま先に体重を乗せることが出来ずに止まってしまいますし、つま先の下が凹んでいた場合はつま先に体重を乗せた瞬間バランスを崩してしまします。
不安定な地面の上では安定した地面を前提とした走り方は出来ないのです。
彼らは不安定な地面の上でもスイスイ走っていきます。
ペースが上がっていないにもかかわらず、私はついていくことが出来ませんでした。
ケニア人のランナーはそういった状況に完全に順応しているのです。
※2018/10/12 アップデート記事を追加しました。
runner-takuya-sugo.hatenablog.com
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