ケニアの高地でのトレーニングの費用対効果考察
私が2017年に2回行ってトレーニングしたケニアのニャフルルは赤道直下で標高は2200~2400mという紛れもない高地で、そこでの生活はカルチャーショックの連続でした。
今このブログでつらつらと書けているのもケニアに行ったおかげです。
今回はケニアの高地でトレーニングする効果について考察したいと思います。
まずは恐らく読者の方が一番気になる点、高地トレーニングからです。
先にも書いた通りケニアのニャフルルは標高2000m以上あり、高地トレーニングの条件に当てはまります。
酸素濃度が平地に比べて薄いため、実際に走るといつもは楽なペースで息切れが起きたり、疲れが取れにくかったりします。
高地トレーニングについては詳しく説明しているサイトがいくつもあるので、そちらを参照していただきたいですが、実体験としてケニアでのトレーニングはきついものでしたし、その分帰国してからも体が軽く感じました。
(参照リンク:
高地トレーニングによって得られる効果とは?最先端を行く新時代のトレーニング
)
ただ、高地トレーニング自体にはデメリットが存在します。
まず、高地トレーニングは筋トレと一緒で止めると身体能力はどんどん下がってしまう点です。高地トレーニングは実施後に確かに効果は感じますが、2・3週間もすると向上した身体能力も落ちてしまうのです。
高地トレーニングには移動費や滞在費など費用と3週間以上の時間を要します。
しかし、その効果が一定期間しか持たないのであれば費用対効果から見るとかなり厳しいのではないでしょうか。
効果が続く期間内に走れるレースは1つくらいでしょうし、その1レースの為に高地トレーニングを導入できるのは、一握りのトップクラスランナーだけでしょう。
あとは高地に移住して、レースの期間だけ平地に行く形が現実的でしょうか。
ただし、こちらもいろいろとハードルの高い選択肢でしょう。
また、高地では疲労が取れなかったり体調を崩しやすいので、トレーニング自体が出来ない可能性もあります。
これはその人と高地との相性もあるので、相性の悪い方にはほとんど効果はないでしょう。
日本人にとってケニアでトレーニングすることは、純粋に高地トレーニングという視点から見るのであれば、費用対効果は悪いです。
むしろ日本の低酸素ルームでトレーニングした方が、高地トレーニングという意味では遥かに効率的ではないかと思います。
これは世界中の、或いは日本のどの場所の高地であっても同様のことが言えます。
つまり、私は単に高地に移動して高地トレーニングするだけなら費用のわりに効果が伴わないと考えています。
だだし、『単に高地トレーニングだけするなら』です。
勿体ぶりましたが、ここからはケニアでのトレーニングのメリットについて話したいと思います。
散々言っておいてあれですが、私はケニアでのトレーニングは非常に価値のあるものだと思っていますし、何度でもケニアに行きたいです。
まずは走る場所がほぼクロスカントリーであることです。
日本では探さないとなかなかない不整地が、ケニアでは沢山あります。
現地のケニア人ランナーがそういった環境でインターバルやファルトレクをやっている姿を何度も見ました。
それは強くなるはずです。
また周りのランナーが抜群に速いことも挙げられます。
時には市内のトラックを世界トップレベルの有名ランナーが走っていて、一緒に練習することすらできます。
そうでなくてもケニア人のランナーたちは皆速く、女子選手であってもついていくのが辛いくらいです。
そのレベルの選手たちが朝からそこら中を走っているのがニャフルルです。
ランナーであれば興奮せずにはいられないのではないでしょうか。
少なくとも私は非常に感動させられました。
フォームもきれいですので、少しでも一緒に走ったり、生活を見るだけでも非常に良い勉強・刺激になります。
他にも自然環境が豊かであることも良い点です。
日本の都市と違って緑ばかりで空気がきれいですし、食べ物も現地の市場で売っているものは無農薬だそうなので、寄生虫や食中毒にさえ気を付けていれば体に良いことは間違いないでしょう。
あと、日本と同じくらいの広さと規模のスーパーも普通にあるので、どうしても食べたいものがあったらそこで買えます。
日常生活用品も大抵は揃ってますし、何より値段が安いです。
多少デメリットがあるとすれば乾燥対策が必要なこと、娯楽が少ないこと、治安は決して良いわけではないこと、水道や電気が時々止まったりすることくらいでしょうか。
一応生活できないわけでは全然ないですが、人によっては結構ストレスに感じると思います。
陸上部時代に全く自由の無いストレスフルな合宿を何度も経験してきた私からすれば、ケニアは結構ストレスフリーでしたが。
高地で乾燥しているので、体調不良になりやすいことが唯一のストレス源でした。
結論をまとめますと、高地トレーニングだけを目的にするなら費用対効果は高くないが、それ以外の要素で非常に有意義な体験・経験が出来るので、私はケニアでのトレーニングには価値があり、ケニアは『ランナーの聖地』だと思っています。
最後は言い過ぎですかね。
そのくらいケニアでのトレーニングが素晴らしかった、と思っていただければ幸いです。
それではまた。
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