本当は怖い現代人が裸足で走れなくなったワケ
「あなたは裸足で走れますか?」
こう質問されたら、ほとんどの方は「No!」と答えるでしょう。
この記事では現代人が何故裸足で走れなくなったのか、どんな能力が失われつつあるのかまとめてみました。
全ての人類は元々、裸足で生活していました。
これは歴史からみて間違いない事実です。
日本人も明治時代は裸足で生活している人がまだまだ多く居たようです。
1901年(明治34年)には警視庁からペスト予防のために屋外で裸足禁止令が出されました。
(リンク:新聞集成明治編年史. 第十一卷 - 国立国会図書館デジタルコレクション)
裸足の人がいないならそもそも禁止令を出す必要もないので、その頃はまだ裸足で生活している人が多かったことが想像できます。
もっと遡れば原始時代は皆裸足でした。
今でも裸足の狩猟民族は現存しているので、まず間違いないでしょう。
つまり、人間の体は基本的に不整地を裸足で走ることができる能力・機能を有しているということです。
もし人間が能力的に不整地で裸足で自由自在に走れないならば、種として絶滅しているでしょう。
では現代人はどうでしょうか。
日本人の例で言えば生まれて歩き始めたころからもうシューズを履いてしまうために、いろいろな機能が退化していることが考えられます。
現に今の日本人で野山を裸足で自由に駆け回れる人はほぼ皆無でしょう。
普段裸足でのトレーニングをしている私自身も裸足でトレイルランニングをするときはかなりの注意と集中力を必要としていますし、尖った石を踏んでしまって痛いときもあります。
その都度、私たちの祖先たちはガレ場も藪の中も歩いたり走ったりして本当に平気だったのか疑問に思うくらいです。
ただ、祖先たちがそのようなところを裸足で行動していたことは間違いない事実なので、やはり現代人の能力が落ちているという結論になります。
どんな能力が失われつつあるかというと、まずは足の部分にその多くがあるでしょう。
人間の足、足首から先は手と同じくらい骨や筋肉が多くあり、それだけ機能的には複雑な動きができるはずですが、現代人の足はシューズで筋肉も健も固まってしまっていて動けなくなっています。
それでは尖ったものを踏んだ時に圧力が集中してしまうので痛いのは当然です。
足裏がシューズや靴下で常に保護されているので、足裏の皮や肉が薄いということもあります。
常に裸足である犬や猫は肉球がとても発達していますが、恐らく人も裸足だった頃は肉球のように足裏が厚かったでしょう。
これは私も裸足で走る前より足裏が多少厚くなっているので、自然と想像できました。
上記に挙げた足の機能が落ちるとともに感覚も鈍くなっていると推測できます。
足裏は圧力を感じるセンサーが多く存在すると言われていますが、シューズはそれをシャットアウトしてしまうので、感度が落ちて当然です。
また一般的なランナーによくみられるのですが、皆さんシューズの紐をきつく絞めてしまうのです。
これは足の感覚がマヒしているからこそできることです。
例えば手に手袋をして紐できつく縛ったら非常にストレスなはずですが、足は何も感じないということはそれだけ感覚が鈍っているのです。
現代のランナーにケガが多いのも当然な気もします。
人間を一種の動物として考えるなら、単に走っているだけでケガをするというのは本来はありえないのです。
肉食動物に襲われたわけでもなく、何等かの災害に巻き込まれたわけでもなく、ただ走るだけでケガして走れなくなるようなお粗末な動物だったら何百年万年前のアフリカで、私たちの祖先の運命は途絶えていたでしょう。
こう考えるとシューズを履くことが大前提となっている現代人のほうが、動物としてはよほど可笑しい存在とも見えてきます。
確かにシューズは直接的な寒さを防いだり、伝染病や破傷風を防いだりといったメリットもありますし、文化的な側面は否定しがたいですが、デメリットも決して少なくないというのが私の思うところです。
今の日本で生活するにはシューズを履かざるを得ない状況が沢山ありますし、いきなり明日から裸足で生活するのは色々な機能が落ちているので無理だと知っています。
なので裸足を安易に勧めることはしません。
ただ、もしここまで記事を読んでいただいて興味を持てる方には少しでも日常に裸足を取り入れて、健康だったりトレーニングに活かしていただければ幸いです。
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