ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。走るのが好きな人|裸足で走ったりケニアで走ったり|メインテーマは『ケニア人ランナーの動きの再現』です。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

世界記録から見るランナーの距離適性区分

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今回はランナーの距離適性の区分を各種目の世界記録から見てみたいと思います。

 

距離適性とは何なのか簡単に言うと、個人がどの距離に向いているのか(短距離向き、とか長距離向き)ということです。

これは先天性、つまり生まれつき持っている能力だったり、今までの生活・運動習慣によって決まってくると考えられます。

 

 

そして、ある距離に対して適性があるかどうかは実際に走ってみればわかります。

いろんな距離を走って比較的最も良いタイムの距離がその個人の適性距離と思われます。

 

具体的に言うと100mのタイムが良い選手は100mが適性だ、といった形です。

もし100mの他に200mもタイムが良ければ、適性は100mと200mということになります。

 

そして多くの選手の適性を見ていけば、適正距離の傾向が出てきます。

既に自明のことかと思いますが、どの距離でも優秀なランナーはいません。

100mに適性がある選手がマラソンを完走するのは厳しいでしょうし、マラソンに適性がある選手は100mでは勝負になりません。

 

そういうわけで、陸上競技では大体は適性毎に短距離、中距離、長距離と分かれますが、その分け方は果たして世界記録から見るとどうなのでしょうか。

下に男女各種目の世界記録をまとめました。

(出典はWikipediaより)

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上のリストで、背景色をつけている選手は複数種目で世界のトップ10内に入っています。

この色を見れば適性距離が分かるということです。

 

上の短距離から見ていきます。

 

100mと200mでは男子も女子もなんと4人も同じ選手が入っています。

つまり、100mが速い選手は200mも速いと言えそうです。

その逆もまた然りです。

 

では400mはというと、男子は1人しか重複していません。(200mにランクイン)

女子は2人がそれぞれ200m、そして800mと分かれてますが、やはり重複は少ないです。

なので適性区分として400mはかなり独立していると言えます。

強いて言うならば200mに適性は近いと思われます。

 

陸上の短距離といえば100mから400mの距離を専門とする選手を指しますが、世界記録から見ると100m・200mと400mの適性に分かれる、と言えそうです。

 

次は中距離種目にあたる800m、1500mです。

 

まず男子を見ると全く色が無いです。

つまり男子においては800mと1500mで適性が完全に分かれてるようです。

 

女子は男子ほどではないですが、800mは重複が2人(400mと1500mに1人ずつ)となっており、かなり独立していると考えられます。

1500mは同じ中距離の800mとは1人重複となっていますが、なんと5000mと10000mとは合わせて3人が重複しており、区分的にはむしろ長距離と若干適性が近しいという結果になっています。

 

最後は長距離にあたる5000m、10000m、マラソンです。

 

男子から見ると5000mで10番内に入っている選手のうち3人が10000mとマラソンにも入っています。

先の100m・200mほどではないですが、比較的適性が似通っているようです。

ただし、重複している選手が少ないので、それぞれ若干独立しているとも見えます。

 

女子は5000mと10000mではかなり適性が近いようです。

ラソンも男子よりも5000m・10000mにより近いと言えるでしょう。

 

以上をざっくりまとめると下記のことが言えそうです。

・距離適性区分は男子は(1)100m・200m、(2)400m、(3)800m、(4)1500m、(5)5000mからマラソン の5つに分かれる。

(だだし(5)グループはそれぞれの種目で独立性が若干高い?)

 

・女子は(1)100m・200m、(2)400m、(3)800m、(4)1500m・5000m・1000m、(5)5000m・1000m・マラソン の5つに分かれる。

 

・男子よりも女子のほうがそれぞれ適性は独立していない。

 本当はエリア記録や日本記録も見てより多くのデータから適性を見たほうが良く、そうするともしかしたらまた違う結果になるかもしれませんが、さすがに面倒なので今回はこのあたりで終わりです。

どうもありがとうございました。

 

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