ランナーとケガ(1)~ランナーの運動バランスは実は最悪?~
アスリートは日頃いろんなトレーニングをしています。
ランナーもそれは同じことが言えると思います。
今回はランナーの一般的なトレーニングについての考察になります。
ランナーの練習方法は他のスポーツ選手と比べるとかなり特殊になっていると思います。
長距離ランナーの練習方法は基本的に走るだけです。
距離だったりペースだったりに変化はありますが、他のスポーツ選手から見たらとにかく走っているだけにしか見えないと思います。
他にしている練習と言えば主に自重を利用した筋肉トレーニングやストレッチ、動き作りなどでしょうか。
中には特殊なトレーニングをしている選手もいるとは思いますが、プロからアマチュアに至るまでランナーのおおよそ大多数は上記に該当するでしょう。
今更確認するまでもない、当たり前ともいえることだと思います。
ただ、視点を変えるとこの練習形態は、実はバランスが悪くて結構危険な練習でないかと結論に至りましたのでつらつらと書いていきたいと思います。
バランスが悪いという根拠は体の各部分にかかる負荷量の違いです。
とりあえず一般的とランナーの練習例から負担量をテキトーに数値化してみました。
体重60kgのあるランナーがとある日、Jogを60分と筋トレとして腕立て伏せ100回、腹筋100回、背筋100回やったとします。
またJogは主に下半身に負荷がかかり、筋トレは主に上半身への負荷とカウントします。
まず60分のJogの負荷量ですが、ランニングのテンポを180歩/分とし、1歩の衝撃(床反力ですね)は体重の2~3倍と言われているので、ここでは2.5倍で計算します。
つまり、
60(kg)×2.5×180(歩/分)×60(分) = 総負荷量1,620,000kg
となります。(たぶん)
次に筋トレの負荷量ですが、腕立て伏せの負荷は
プッシュアップを深掘り!トレーニング専門家の腕立て伏せ考察。 | 弘田雄士オフィシャルサイト「be」
より『最上点では自重の69%、最下点では75%の負荷がかかるというのが研究結果からでた平均値』だそうです。
Jogの負荷の計算と条件をなるべく合わせるために、ここでは最下点の負荷のみ計算します。
つまり
60(kg)×0.75(%)×100(回) = 総負荷量4,500kg
となります。
他のメニューも負荷量は計算するのが面倒なので、まあ腕立て伏せより負荷が多いはずもありませんし、とりあえず腕立て伏せ100回と同じ負荷と仮定して計算すると
腕立て伏せの総負荷量4,500kg×3 = 総負荷量13,500kg
これが筋トレの上半身への負荷となります。
数字で比べるとはっきりわかっちゃいますが、滅茶苦茶バランス悪いですよね。
1,620,000kgと13,500kgですよ。
その差、120倍です。
しかもこんなに筋トレをしているランナーは結構少ないでしょう。
比率的にはもっとランに偏っているランナーが大多数のはずです。
これだから走っているだけなのにケガしてしまうのではないでしょうか。
下半身は酷使して上半身には無視していいくらいの負荷しかかかっていないんですからバランスが悪すぎます。
バイクで例えたらずっとウィリーして走っているようなものですよ。
そんなことしていたら直ぐに壊れますって。
しかも下半身の動きもほとんど決まりきったもので、足の運動の多様性はほとんどない。(横に飛んだり、後ろに進んだりすることがまずないということです)
人間の体の各部位の耐久力というのはそれぞれ限界があり、鍛えれば鍛えるほど強くなるものではありません。
特定の部位に決まりきった負荷しかかけない使い方をしていたら頻繁に壊れて当然です。
恐らくこれがランナーがケガしやすい要因の一つではないかと思っています。
それも結構重大な。
これに対して具体的な解決方法も考えておりますが、それは次回以降の記事徐々に話していきたいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。
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