ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。走るのが好きな人|裸足で走ったりケニアで走ったり|メインテーマは『ケニア人ランナーの動きの再現』です。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

ランナーとケガ(3)~何故筋トレをしてもケガをするのか~

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前回は柔軟すぎるとランナーにとってはあまり良くないですよ、という話をしました。

今回は筋トレがランナーにとってケガの予防になるのかどうか考察していきたいと思います。

 

ランナーとケガ(1)~ランナーの運動バランスは実は最悪?~ - ランニング言いたい放題 で筋トレだけでは運動バランスが悪いと書きましたが、では筋トレ自体には果たしてどれほどのケガ予防効果があるのでしょうか。

 

まず筋トレ、略さないと筋力トレーニングで意味は『骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大 (Muscle hypertrophy) を目的とした運動の総称。』(Wikipediaより)らしいです。

 

ん…?これだとランニングもある意味筋トレになる…? 

 

それだと話が進まないのでとりあえずここでは一般的にランナーいうところの腕立て伏せとか腹筋とか背筋とか自重トレーニング、ジムでのマシントレーニング・ウエイトトレーニングなどのメニューを総括して「筋トレ」とします。

 

多くのランナーは練習に筋トレを取り入れていると思います。

その中にはケガ予防のために筋トレしている人も少なくないでしょう。

 

ただ、それが実際にケガの予防につながるかというと非常に懐疑的です。

 

前回の話を踏襲するなら、筋トレがケガの予防につながるケースはかなり限定されると思われます。

確実にケガの予防につながるケースとしては『筋力が不足が原因であること』が考えられます。

そんな条件に当てはまるランナーはかなり少ないでしょう。

 

筋力は先に少し書いてある通り出力と持久力に分けられます。

そのうち出力ですが、そもそもランナーに出力はあまり必要ありません。

優秀なランナーであっても例えば腕相撲なんかは特に強いわけではなく、下手したら全く運動していない人より弱いこともあるくらいです。

そして持久力に関しては身に付けるなら走ったほうが手っ取り早いという事実。

 

つまり筋の出力が非常に弱すぎる人だったら確実に筋トレのケガ予防効果が出る、と考えられます。

 

では筋の出力に問題のない多くのランナーにとってはケガの予防になるのでしょうか。

これを考えるうえで重要なのは長距離ランニングと筋トレの運動としての特性だと思います。

 

私は長距離ランニングでもっとも重要なのは動きが効率的であること、燃費がいいことだと考えています。

それと比較して筋トレは”非効率であること”が求められます。

 

詳しく説明します。

 

同じ筋トレであってもより筋肉に負荷がかかるほうが筋トレとしては効果が高いです。

ではより筋肉に負荷をかけるためにはどうすればいいかというと、例えば腕立て伏せなら足の位置を高くして両腕に荷重がかかるようにしたりとか、スクワットであればバーベルをもってやるとかになります。

そのほうが筋肉には負荷がかかりますが、これは動きとしては非効率なものになります。

同じ動作であれば筋肉への負荷が少ないほうが長く続けられる=効率的だからです。

 

つまり筋トレと長距離ランニングは基本的に運動特性が全く逆なのです。

その点を踏まえるとボディビルダーと長距離ランナーは兼ねることが非常に困難です。

ボディビルダーとして鍛えれば鍛えるほど、マラソンは辛くなります。

逆もまた然りです。

だからゴリマッチョなマラソンランナーはいないし、マラソンランナーはサイドチェストしても全く迫力がありません。

(念のために記載しておきますが、ランナーのパフォーマンス向上を目的として筋トレを行うことは有効であることもあります。ただし、それはあくまでランナーに合わせた筋トレメニューであり、筋トレの頂点とも言えるボディビルダーの筋トレとは別物です)

 

長距離ランナーのケガの原因は言ってしまうと非効率さにあります。

効率的な動きをしていれば体の各部位への負担が少なく、ケガするリスクが下がっていくと考えられます。

なので筋トレをしすぎて非効率な動きを学習してしまうと、よりケガしやすくなるでしょう。

 

前述の通り、ランニングに出力はそれほど必要ないので(むしろなるべく少ない出力でより前に進めるほうが大事なので)ランナーにとって筋トレのケガの予防効果は非常に限定的だと考えられます。

 

ちょっと長くなってしまいましたが、今回はこのあたりにします。

なお、まだまだこのテーマは続きます。

 

 

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