ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。走るのが好きな人|裸足で走ったりケニアで走ったり|メインテーマは『ケニア人ランナーの動きの再現』です。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

ピッチ走法とストライド走法のウソ

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ランナー同士の話題はいろいろありますが、その中にピッチ走法・ストライド走法についてもよく聞きます。

ピッチがいいとかストライドが大事とかランナーであれば誰もが、一度は話したことがあるのではないでしょうか。

 

 

今回はそのピッチとストライドについて私の意見を書いていきたいと思います。

 

まず初めに、ピッチ走法とストライド走法というものは現時点でこの世に存在しません。

 

嘘ではありません、本当のことです。

根拠を説明します。

 

このピッチ走法とストライド走法ですが、どこまでピッチが高ければピッチ走法で、どれだけストライドが長ければストライド走法であるという客観的で明確な基準が存在しないことが理由です。

 

他の例で話すとフォアフット走法やヒールストライク走法は存在すると言えます。

何故ならフォアフットや踵で着地するという明確な基準があるので、カメラでランニングフォームを撮影するか、床反動計など使って着地している場所がセンサーで判別すれば、どの人はフォアフット走法でどの人はヒールストライク走法でということがかなり明確に見分けられます。

これが客観的で明確な基準が存在するということです。

 

ではピッチ走法とストライド走法はどうでしょうか。

 

ピッチ走法とストライド走法にはこういった明確な基準は存在していなく、あくまで見た人の感覚で、この人はピッチが速いからピッチ走法、この人はストライドが長いからストライド走法、といったレベルの話でしかありません。

ヒトの体は基本的に同じ作りをしているので、多くのランナーを測定すれば、平均的なピッチとストライドがわかり、平均値からピッチが早ければピッチ走法で、ストライドが長ければストライド走法だ、ということは言えると思いますが、そのような基準があるということは聞いたことがありませんし、現に存在しません。

 

つまりピッチ走法やストライド走法という論理的な根拠が説明されていないために存在しないと言いたいのです。

 

もし今後どこかの機関が多くのランナーからデータを取って平均ピッチとストライドを出し、その人の体格に対応したピッチ走法とストライド走法の基準を導き出したのであれば、晴れてピッチ走法とストライド走法が存在することになります。

それまでは、私はあくまでピッチ走法とストライド走法はないものとして考えます。

 

また、ピッチ走法とストライド走法についてもう一つ言えることがあります。

 

仮に多数のランナーの平均値を取り、平均よりピッチが早ければピッチ走法でストライドが長ければストライド走法とすると、それはどちらかというと直さなければいけない悪い走法であると考えられます。

 

先にも書いた通り人間は骨や筋肉、内臓など基本的に同じ構造をしているため、走る距離と目標とする速さ、ランナーの体格を決めていれば、それに対応する理想的なピッチとストライドはある程度決まってくるはずです。

極端にピッチが早かったり、ストライドが長いというのは非効率でしかありませんので、理想値はピッチが早すぎず、ストライドも長すぎないものとなるでしょう。

 

そもそもピッチとストライドはランニングの結果を表す指標です。

ピッチ×ストライドがスピードとなりますが、ピッチを上げればストライドが下がり、ストライドが上がればピッチが下がるという疑似的に負の相関関係にあると言えます。

 

一個人のランナーで考えると、ピッチやストライド以外の要素の変化がないままに、ピッチやストライドをいじっても、そのランナーの潜在的なスピードは上がることはありません。

ランナーの潜在的なスピードが上がるための要件は心肺能力や筋力といった身体能力が上がるか、運動に関する技術が向上するかの二つです。

ピッチやストライドを調整することは、ピッチが早すぎる人やストライドが長すぎる人が本来得られるはずのスピードを出せるようにする意味でしか効果がないと思います。

そしてそれはランニングを始めたばかりで走ることに不慣れなランナーにしか当てはまらないと考えられます。

 

通常は走り込むうちに、その過程で個人の体格に見合った、ある程度効率的な走り方=ピッチとストライドに自然と落ち着いていきます。

極端なランナーを除いて、初めてしばらくたったランナーには基本的にピッチとストライドを調整する必要性は少ないでしょう。

 

もちろんピッチやストライドから自身の能力を把握すること自体は良いことです。

ただ、だからと言ってピッチやストライドをいきなりどうにかしようというのは順番が間違っています。

 

速いランナーはある程度高いピッチとストライドで走れるのは、それを実現するだけの身体能力や技術を有しているからです。

速いランナーのピッチとストライドに近づきたいのであれば、自身の身体能力の向上や、技術を身に着けることを目標としたトレーニングを組むことが大切でしょう。

 

ある程度走り込んできた多くのランナーにとって、ピッチやストライドをあれこれいじるのは小手先の誤魔化しだと私は考えます。

 

以上がピッチやストライドに関しての私の意見です。ちょっとでも参考にしていただければ幸いです。

 

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