ランニング言いたい放題

日本ベアフットランニング協会公認コーチ、Vibram FiveFingers トータルアドバイザー。走るのが好きな人|裸足で走ったりケニアで走ったり|メインテーマは『ケニア人ランナーの動きの再現』です。お問合せ:hadashi.rc@gmail.com。by須合拓也

トレイルランナーとマラソンランナーに求められる資質の違い

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私がランニングを始めたのは、まだ物心のないの子供の時でした。

走ることが好きで、学生時代は陸上部だけずっとやってきました。

その時はトラックやロードばかり走っていました。

 

 

トレイルランニングを始めたのは社会人になってからですが、トレイルにはトレイルの難しさや面白さがあります。

ただ、初めは結構苦戦しました。

特に下りが全く走れませんでしたので、ロードやトラックに比べるとトレイルは難しいなと感じていました。

 

今回はトレイルランナーとマラソンランナーに求められる資質の違いについて考察を書いていきたいと思います。

 

まずは定義についてです。

 

今回の記事中で言うマラソンランナーとはフルマラソンを走る以外にもトラックの競技に出るランナーも含みます。

主に走る環境はアスファルト上かタータンの陸上競技場になります。

 

そしてトレイルランナーはメインが山道、不整地ですね。

トレイルランニングをしたり、トレイルのレースに出たりするランナーを指します。

 

そして両者は兼ねることもあります。

ラソンも走ればトレイルも走る人も当然存在するということですね。

 

両者の明確な違いは走るコースや装備にあります。

ラソンランナーは比較的平坦なロードやトラックの上をほとんど何も持たずに走ります。

レースの距離は42km以下です。

 

トレイルランナーは高低差のある不整地を、大抵はトレイル用のザックを装備して走ります。

トレイルのレースは距離が10km前後のものから160km以上のものまで多彩です。

有名なレースはどれもフルマラソン以上の距離があることがほとんどです。

 

ここから考えるとマラソンランナーに求められる能力は単純なスピードや心肺機能、ランニングエコノミー(効率性)となるでしょう。

これに比較するとトレイルランナーに求められるものはより多彩です。

装備を持ちながら上りを走れる加速力、長時間のレースに耐えられる生命力、下りを走れる運動神経などなど。

もちろん、トレイルランナーにもマラソンランナーに求められる能力は必要ですが、他の能力も必要なために、マラソンランナーに比べるとそれらの能力の重要度は相対的に下がります。

 

もう少し具体的に書いていきましょう。

 

ラソンランナーは100mの選手ほどではないですが、スピードが必要です。

また心肺機能が高い方が時間当たりのエネルギー出力を上げられるため、タイム短縮に有利です。

(心肺機能の詳細についてはリンク参照)

あとは効率性ですが、これは体形や体重などがわかりやすいでしょう。

基本的に軽い方が同じスピードを維持するときに使用するエネルギー量が少なくなるため有利になってきます。

その分余分な筋肉や脂肪はあまりありません。

また足が長いと同じエネルギー当たりで進める距離が長くなるため有利です。

いわゆるランナー体形というものですね。

長いストライド、早めのピッチで走る選手のイメージです。

 

これがトレイルランナーになってくるとまた少し違ってきます。

スピードや心肺能力、効率性も必要ですが、同時に上りで自重+装備分の重量を運ぶ加速力=筋力が必要になってきます。

また長時間野外で活動する生命力に関わるものの中でわかりやすいのは脂肪です。

つまり、マラソンランナーよりも筋力と脂肪が必要になってくる分、体重が増加します。

 

足の長さもそれほど重要ではなくなってきます。

上りではストライドが短い方がトルクが強くなり、上りやすくなります。

下りでもストライドを広げて走ることは、足への衝撃が強すぎて負担が大きくなることと、方向転換しにくくなるので事故の危険性が高まります。

しかもトレイルの下りは斜度も地面の凹凸もランダムに入り乱れているので細かく調整できた方が安定して下れます。

ストライドが短く、高回転で回す方が理にかなっているのです。

 

つまり、ランナー体形よりも若干筋肉質で足もそれほど長くない、標準的な日本人体形に近くなってくると考えます。

特に日本のトレイルは急な上り下りが多いので、理想が日本人体形に近くなるのは不思議ではありません。

(むしろ、日本の地形に合わせて日本人の体形が変化した、という方が正確でしょう)

 

もちろん急こう配の下りを走るには運動神経も重要になってきます。

運動神経はマラソンランナーにも必要ではありますが、1歩踏み間違えると命に関わってくるトレイルランナーの方がシビアに問題になってくるでしょう。

 

まとめますと

ラソンランナー

・スピード

・心肺機能

・効率性(=軽さ)

 

トレイルランナー

・スピード

・心肺機能

・効率性(ただし、体重は軽すぎないこと)

・加速力(筋力)

・生命力(脂肪)

・運動神経

 

となってきます。

 

ラソンランナーとトレイルランナーを型に分けるとするならば、マラソンランナーは整備された平地を走ることに能力を特化したスペシャリストと言えるでしょう。

トレイルランナーはあらゆる環境でも走れるようにバランスが求められるゼネラリストと言ったところでしょうか。

 

かなり簡単にまとめていますので、それぞれに求められる能力には細かく言うとまだまだたくさんありますし、あくまで傾向なので、当てはまらないこともあるでしょう。

ただ、傾向を分けることによってフルマラソンに出場する場合やトレイルに挑戦するときに向いているかどうかや、何が足りないか判断する参考の一つにはなるかなと思います。

 

今回もお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

 

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